つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

政策を横軸、縦軸で見ると

 国政選挙で候補者を吟味する場合、2つの視点があるように思います。まず「外交、安全保障」分野を横軸に設定。パワーオブ・バランスの観点に立って防衛力を重視し、力を背景にしても国益を守ることに関心を持つ方向をプラス方向、すなわち右方向とすれば、社民、共産のように軍事力は要らない、憲法9条を守れ、これさせあれば安全だと考える方向はマイナス方向、左方向になります。
 自民党議員は基本的に横軸ではゼロポイントから右寄りでしょう。その意味では、横軸にはぶれはないのです。一方、民主党は、この横軸でもちろん前原誠司長島昭久のようなプラス方向の人もいれば、旧社会党系議員のように憲法9条固執のマイナス方向の人います。同党は、国の基本政策である外交、安保政策で党内が一致しないという状況があるわけですから、これから混乱は避けられないし、この点で党内闘争を起こす可能性もあります。そうなれば、諸外国の笑い者になってしまうのは火を見るより明らかです。
 では、縦軸は何かと言えば、それはスモールガバメント(SG)かビッグガバメント(BG)かの選択でしょう。SGを上の方向に置き、BGを下の方向に置けば、社民、共産はもちろん社会主義共産主義を目指している政党ですから、下の方に位置されます。横軸と合わせて考えれば、左下の空間に置かれます。自民党は、これに対し、SG派とBG派が同居しています。
 小泉郵政選挙で初当選してきた人は、郵政民営化道路公団民営化などに強く同調したわけですから、右上の空間に位置されるでしょう。でも、郵政民営化には賛成しながら、実際には反対だったと言った麻生太郎首相や、公共事業にこだわる古賀誠氏など地方出身議員はやはりBG派なのでしょうから、右下の空間に位置されることになります。自民党は、具体的に都会派は右上、地方出身議員は右下が多くなるという形で分割されてしまうでしょう。郵政民営化反対だった国民新党なども右下の部類でしょうね。
 では、民主党はどうかと言うと、実はよく分からないのです。組合出身や社会党系などは社民、共産と同じように、政府の大きな力が必要なようで、左下の空間。ですが、横軸で右方向にいる議員は、これは自民党と一緒でSG派、BG派とばらけます。今は不況であり、また小泉構造改革の欠点をあげつらう意味から選挙ではBG派が幅をきかせています。が、いずれ党内の自由主義支持派、SG派が強く主張してくるようになるでしょう。
 田中康夫新党日本や「みんなの党」は、官僚主導反対が主な主張ですから、右上の空間ですね。ですから、もし民主党が社民、国民新党新党日本みんなの党共産党を除く諸党と連立したら、いったいこの政権はどの方向に向かうのかさっぱり分からなくなってしまいそう。90年代の細川野合政権の二の舞になりそうな予感さえあります。
 下の写真は、ハノイ市内の朝の風景。老婆がいい味出しています。

             スモールガバメント(SG)       

                    ↑  みんなの党新党日本、都会出身議員             
       
       軍事力否定派←  ――  →軍事力肯定派          
            

社民、共産、民主の旧社会党系 ↓  現時点での民主党の多数、国民新党、地方出身議員

             ビッグガバメント(BG)