つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

商売通りになっていた高山古い街並み

 出張取材で、岐阜県の飛騨高山に行った話は前回、報告しました。泊まったのは高山市郊外・一之宮町の農村民宿でしたが、翌日、市街地に戻り、「古い街並み」地区に行ってみました。小生がここを訪れるのは31年ぶり。実は、新婚旅行で松本、上高地を回り、高山に来たのでした。
 当時を振り返ると、古い街並みはまだ生活感があって人々が生活していたような印象でした。今回、行ってみると、一条の街並みはすべて飲食店と土産物売り場の商売通りになっていて、生活感は雲散霧消していました。前に福島県の大内宿のことを書き、「ここはなんだ、高山と違ってすべて飲食店と土産物屋ばかりではないか」と落胆しましたが、3世代ぶりの高山も同じになっていました。古い街並みはあくまで生活感があって初めて生き生きとしてくるものだと思いますが、やはり、観光名所を商売道具に使いたいという意識はどこも変わらないようです。
 それにしても、今回、改めて思ったのは、高山の古い街並みはこの程度の長さだったのかということ。規模で言えば、角館や津和野などには到底及びもしません。さすがに、これだけで客は呼べないと思ってか、旅行社も白川郷五箇村などとセットで売り出しているようです。白川郷の住居の方は世界遺産であり、アピール度は高山以上にあるものですから。
 また、印象として外国人が多いなと思いました。パックパッカーの西洋人カップルから、台湾、アメリカ人団体客。世界的不況と言っても、日本に比べてどうも諸外国の方が裕かそうです。特に、台湾、香港、大陸中国人が大勢来ているような感じです。男女4人ほどのグループで来ていた中国人はこの9月に、上海から名古屋に留学してきた学生で、来日以降、この週は京都、次の週は高山と週末、遊び歩いているようです。「君らは金持ちだね。日本人はうらやましいよ」と言ったら、苦笑いしていました。身なりから判断して、多分、相当な金持ちの子弟でしょう。
 本来は広東語や英語の世界で、普通語(共通中国語)にはなじんでいないと思われる香港人カップル(夫妻)が、比較的流暢な普通語で話してくれたので驚きました。「日本は仕事で何度も来ており、これまで京都は観光した。今回、レンタカーを借りて金沢、白川郷を回ってここに来た。日本は安全で、人は親切だから、旅行しやすい、大陸とは比べられない」と話していました。安全、親切はオランダ人夫妻からも聞いているので、これは外国人旅行者共通の印象なのでしょう。
 上の写真は、飛騨高山最大の観光名所「古い街並み」の一風景。下の写真は、香港人夫妻と小生。小生も「香港に5年近く住み、銅鑼湾のハッピーバレーにいたよ」と言ったら、彼らは「われわれは(銅鑼湾にも近い)北角に住んでいる」とのことで、懐かしく、話が弾みました。