つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

欧州人も体験観光好き

 翻訳会社が編集担当している政府系英文誌の取材で、岐阜県の飛騨高山に行ってきました。同英文誌12月号のカバーストーリーのテーマは「観光」ということで、外国人観光客が日本の田舎、地方の観光地にどう魅せられているのかについて書くのが小生の担務。具体的には、高山駅のひとつ手前の駅「飛騨一之宮」駅近郊に、体験観光をさせる民宿があり、そこにオランダ人が投宿するという情報を編集責任者がキャッチし、小生が一泊2日でそこに出向き、取材をすることになったのです。
 飛騨高山まで一駅とはいえ、10キロ程度も離れた飛騨一之宮町はごく普通の農村で、冬は近くにスキー場がありにぎわうものの、他のスリーシーズンは売りとなるものがない。そこで、民宿のオーナーは、集客の目玉として「体験観光」を取り入れました。春は山菜とり、夏は田植え、秋は稲刈り、柿もぎ、そのほかには、そば打ち、うどん打ち、パン・ピザ生地作り、流しソーメンなどと、体験観光メニューも盛りだくさん。
 オランダ人夫妻(入籍しておらず、事実婚と説明)は、そば打ちを選び、挑戦していました。ちなみに、そば打ちなどがなぜオランダで有名かと言えば、同国のテレビの観光番組で、日本観光の楽しさとして、この一之宮町の民宿のそば打ちが紹介されたことがあったからで、その後、結構オランダ人が来ているというのです。和そばそのものが好きで食べたいということではなく、作る過程を楽しむといった感じです。ほとんどは民宿のおかみさんが手伝ったのですが、オランダ人妻は結構喜んでいました。その点では体験観光の売りは成功です。
 ところで、彼らは今回、日本旅行のために4週間の休暇を取ったようです。すでに東京、日光、富士五湖、松本、高山を訪問、そしてこのあと京都、大阪、高野山、広島などを巡る本州縦断です。小生も含めて日本人の欧州ツアーは長くて12日、普通6−8日程度であることからすると、その休暇の長さに驚かされます。高山の古い街並みで会ったドイツ人のカップルもやはり3週間の旅行スケジュールと言っていました。いずれも団体のツアーではなく、ザックを背負ったバックパッカー。うらやましさを感じました。
 上の写真は、そば打ちをするオランダ人妻とそれを手伝う民宿のおかみさん。下の写真は、オランダ人夫妻とおかみさんと小生。