つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

今こそ小選挙区制スタート時の初志貫徹を

 民進党大塚耕平代表が立憲民主党希望の党に対し、再合併を呼びかけています。立民党は受け入れる様子は見られませんが、民進と希望の合併はありそうです。分裂後半年で再合併の呼びかけとはおかしな話ですが、昨年秋、小池百合子女史の新党ブームに幻惑され、旧民進党を四散五裂させてしまった反省から、今冷静になって原点に立ち戻ろうとする動きであるなら、歓迎すべきことかと思います。
 旧民進党内は、もともと安全保障や憲法改正のビッグテーマに対する考え方の違いがあり、分裂含みでした。昨年秋の総選挙直前、小池新党の動きがあり、前原誠司代表らの党内保守派がこれに乗る形で党分裂までもっていったのですが、これは、一時的な選挙への感情(損得勘定の方が正しいか)のもつればかりでなく、党内の潜在的な対立から生まれた必然的な結果と言えましょう。
 であれば、大塚代表の真意が今いち理解できません。希望と立民が再合併して、また党内対立を生むような政党を作ってどうするのか。正直言って、今の立民党は、かつての日本社会党と一緒で、単なる与党のスキャンダル探し、批判党にすぎません。金輪際政権を取ろうなどと思っていないようですから、現実的な政策提言などはできないでしょう。
 立民に比べて希望の党はまだ政権に近づこうという意欲は感じられます。でも支持率の低さから、自民党との対抗姿勢を強め、現実的な政策提言のスタンスから立民風の何でも反対、批判党に傾きつつあるようです。これでは、支持率は下がる一方でしょう。良識ある国民は政権を任せられるかどうかを良く見てます。
 希望の党がやるべきことは自民党の荒探しでなく、基本政策において自民との違いを明確にすることです。憲法改正ならもっとこれこれが必要だとか、安全保障面ではこの面が不十分、消費税アップではこれこれに充当せよなどと積極的に提言し、それをアピールすることです。せめて希望と民進が再合併して自民党に代わり得る”現実対応”の新党を作りたいというのが大塚代表の真意であるなら、再合併呼びかけも理解できます。
 今、改めて、1990年代初めに選挙制度を大改革し、小選挙制にした意味を考える必要があります。あの選挙制度の改変は、政権選択のために2大政党が争う形にすることだったのではありませんか。小生自身は、ビッグステーツマンが育たない小選挙区には反対ですが、心ある野党議員はせめて小選挙区制度スタート時の初志を貫徹し、自民党に対抗する現実的政党作りに邁進してほしいと思います。


 上の写真は、飛騨高山の町を流れる宮川とそこにかかる赤い橋。高山は白川郷と違って残雪がまったくありませんでした。