つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

結局、安倍首相の目論見通りになりそう

 小池百合子女史は結局、出馬しませんでした。総選挙は首相を選ぶ政権選択選挙であるという観点に立てば、希望の党はその主たる顔が見えないのですから、求心力は著しく低下します。残念ながら、希望の党の風は吹かないままに、自民・公明の大勝利で終わるような公算が大です。
 マスコミ各社が選挙序盤における情勢分析調査を出しましたが、大方は自公で過半数〈233議席)どころか300議席の大台に載せるとの予想を立てています。つまりこれは、この時期に選挙すれば勝てそうだとして、解散に打って出た安倍首相の目論見通りになるということですね。
 小池女史は当初、安倍首相の目論見を逆手に取って新党を立ち上げ、安倍一強体制を壊すことを狙いました。でも、その顔となるべき本人が出ないのでは著しく迫力に欠けます。希望の党に投票する有権者はいったいだれを首相にしたいと思い、投票するのか。そのイメージが湧かないのでは、その党に入れる気にはならないでしょう。
 各社の調査でも、希望の党の獲得議席は50−70程度の当選との予測です。これでは、民進党時代の数とそう変わりはありません。自公体制、安倍一強体制を壊すなどというのは夢のまた夢です。公示前に前原、小池あるいは枝野氏らがあたふたと離散集合した動きはいったいなんだったのかという感じさえします。
 昨日今日のテレビ報道を見ても、総選挙へ関心を極端になくしているように見受けられます。希望の党立憲民主党が”近親憎悪で”争えばそれだけ自民党は漁夫の利を得るので、小選挙区は圧倒的に自民党候補が当選してしまうでしょう。自公圧勝で選挙後の政局は動かないとなれば、確かに興味半減です。
 ひょっとしたら、希望と立憲の候補はもう小選挙区でトップになることはあきらめ、比例代表区での当選狙いではないでしょうか。となると、小選挙区でトップとの差を縮める惜敗率争いに向かい、敵はトップとなる自民党というより、同じ党内候補同士の争いといった様相を呈します。
 自公で300議席となれば、選挙後の特別国会での安倍首相続投どころか、来年秋の自民党総裁選挙で「あと3年」という気配も濃厚になります。欧州、特にドイツのように首相をちゃらちゃら変えない、一人で10年程度やるのが当たり前という観点に立てば、それはそれでいいことなのかも知れませんが、問題点も多い。
 長くやれば体制は弛緩し、権力は腐敗します。英国の歴史家ジョン・アクトン卿も言っているように「権力は腐敗する。絶対的な権力は絶対的に腐敗する」のです。自公の圧勝は安倍首相をさらに”天狗”にさせてしまうかも知れません。

 上の写真は、横浜・伊勢佐木町モールで行われていたジャズ演奏のストリートパフォーマンス。