つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

国民は選挙目当ての野合にだまされない

 そう言っては何ですが、岸田首相では来るべき総選挙で自民党に弾みは付かないような気がします。見るからに育ちの良さ、人柄の温厚さは感じるのですが、訴える力強さが感じられない。一般庶民が期待する政治家像って「あの人いい人ね」というような人じゃないんですよね。どちらかと言うと個性の強そうな、強固な信念を持っていそうな、強いて言えばワルにも見えそうな、しかし笑顔を忘れない、そんな人を求めるのです。今さら言うのはいかがなものですが、菅前総理が笑顔を見せ、能弁でさえあったら素晴らしかったと思います。

 大変、詰まらない視点ですが、ほとんどの有権者は、総理が政治家として持つ理念や主張する政策に関心を持っていません。普段、テレビで見る印象で「この人、信頼感が持てるかどうか」を判断し、それを投票行動に結び付けます。小生は菅前総理の選挙区に住んでいるのですが、最近、彼の選挙ポスターが届きました。裏側に彼が実現させた政策などがびっしり書かれてありました。自身が誇るまでもなく、すごい能力の政治家だったと思います。本当に笑顔と能弁さがあったら良かったのにと思います。

 それはともかく、岸田氏は総選挙の勝敗の分かれ目について「自公で過半数を獲れるかどうか」と話していました。これっておかしくないですか、自公で過半数が取れなければ、現自公政権は忌避されたということなんですから、分かれ目どころか潔く退陣するラインでしょう。衆院定数が465議席過半数が233議席。今、自民党が275議席、公明が29議席ですから、都合300議席以上あります。岸田氏の言う自公で233議席を勝敗ラインに置くということは、公明が現有勢力を保ったことを前提にすると、自民だけで70議席近く負けても良い、それでも勝利だと言っているに等しい話。バカげています。

 で、正直、自民党はどれだけの議席が確保できそうなのか。小生の時事通信時代の同期生である田崎史郎は240議席前後と予想しています。これでも現有勢力から30議席以上減る勘定ですが、この原因の理由について野党の連携が進んで小選挙区で自民候補が負ける可能性があるからだとしています。ですが、小生は、野党共闘はそれほど奏効しないと見ています。なぜなら、立憲が共産党とくっ付けば、連合内の右派系組織労働者は必ず自民党に投票します。自民党に入れないまでも維新の会のような政党を選ぶかも知れません。

 しかも、国民のほとんどは、共産が加わった野党連合、言葉を替えれば”野合の連携”で政権が担えると思っていません。彼らの政策は、国家の根幹にかかわる安全保障で一致していないし、生活にかかわるものであっても、かつて民主党政権ができる前の時のような説得力がない。コロナ対策の給付金が一律10万円とか12万円とか、いずれも人気取りの主張。これらは赤字国債の大量発行によるもので、未来永劫続くべき国家に対し、責任ある態度とはとても思えません。

 国民は選挙対策の野合集団の主張にだまされたりしません。それが証拠に、きょうテレビでやっていましたが、ある世論調査によれば、コロナ特別給付に対し期待する人が3割強であるのに対し、将来の国家財政の破綻を憂うる人の方が5割を超えているという結果が出ています。国民の多くは意外にも(失礼か)きちんと見ているんだなーと感心しました。昔、小泉首相所信表明演説で米100俵の話をしていました。我慢すべきところは我慢するという話ですが、コロナ特別給付なんてまさに一時しのぎの子供だましで、数少ない俵米の先食いです。

 昨年あった国民一律10万円の支給。別の世論調査ではこの金の行方が調べられましたが、かなりの人が貯蓄に回していることが分かりました。これってどういうことを意味するかと言うと、一般論として10万円をすぐに使わなくてはならないほど多くの国民は困っていないということです。だから、公明党が強く主張した国民一律というのが実にナンセンスだったのです。今回、自民党は「困窮者に支給」としていますが、こちらの方が理にかなっていると思います。

 上の写真は、琵琶湖西岸にある白鬚神社。パワースポットの一つらしい。