つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

自民党は改憲の”やるやる詐欺”を止めよ

 日本維新の会のだれかが「自民党憲法改正は、やるやる詐欺だ」と、面白いことを言っていました。確かに、言い得て妙ですね。安倍内閣のときも、改憲勢力が国会議員の3分の2以上あったのにもかかわらず、安倍もそこまで乗り出さなかった。一番改憲をしたがっていたのは安倍氏自身であったと思うのですが、、。改憲自民党の結党以来の党是なので、この党のだれが総理になっても条件さえ整えば着手するのが義務なんですが、どういうわけかやる気がない。これじゃ、維新から「やるやる詐欺だ」と言われても仕方がないですね。

 安倍が手を付けられななったのは、連立与党の公明党への配慮もあったのでしょう。連立の手前、「加憲が必要」なんてあいまいな表現でごまかしていますが、公明は基本的に護憲政党です。それに対し、維新は改憲積極派です。このたび維新と国会での連携を約束した国民民主党改憲派です。で、両党の議席が増えたことを奇貨として、維新の松井代表は「来年夏の参院選までに改正案をまとめて国民投票にかけよう」と自民に対し、期限を切るよう迫ってきたのです。

 来年の参院選まで半年余であり、改憲の中身は多岐にわたるので、正直とてもまとまるものではありませんが、松井がそういう形で急かせたのは良いことだと思います。恐らく国会も始まったので、憲法改正審議も本格スタートするのではないか。取りあえず、各党で了解できるところから、例えば、首相に7条解散のような恣意的な解散権を与えないとか、災害発生時の緊急事態権限の強化、環境の権利を書き込むとか…。その辺から改正案を考えていったらいいと思います。

 現憲法によれば、改憲の発議には、国会の衆参各院で定員の3分の2以上の賛成が必要とされています。衆院だけを見れば自民が261、公明が32、維新が41、国民が⒒。公明の基本スタンスはともかく、自民と連立している限り改憲勢力と見なしますと、衆参の改憲総勢力は345議席。そのほか立憲や無所属からの同意者も出ると思うので、改憲の発議に必要な3分の2の310議席は十分にクリアしています。残念ながら、現時点では参院改憲勢力は164議席。3分の2の議席を確保するには微妙な状態です。

 ですから、松井の心底には、来夏の参院選を前に憲法論議を高め、その中で改憲勢力を増やしたいとの思いがあるのでしょう。要は、改憲に疑義的な公明議員を減らし、自民、維新、国民の数を増やしたいということでしょう。今、世論調査をすると、改憲に賛成という人たちが半数を超えています。改憲プロセスは、国会で通過したあと次に国民投票過半数の支持が必要ですが、世論調査を見る限り、改憲は成立する可能性が極めて高いのです。

 一番必要なのは参院改憲支持議席。現在は微妙な議席状況ですから、3分の2以上の明確な改憲勢力が必要。その意味では、来夏の参院選が天下分け目の関ヶ原になります。ぜひ立憲、共産の議席を減らし、改憲勢力を伸ばしたいですね。自民党も「やるやる詐欺」を止めて、本当にマジに改憲に踏み出して欲しい。選挙でも改憲を訴えて欲しい。よく野党の連中は、「自民党は選挙期間中に改憲のことなど少しも持ち出さず、選挙が終わると言い始める」と揶揄します。確かに、その嫌いはありますね。自民党も今や、腹をくくって改憲に取り組むべきです。

 上の写真は、渋谷ハチ公前のJR駅壁にあるレリーフ