つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

自民党は公明を切って、国民民主党と連立を

 今、自民党公明党と連立政権を作っていますが、自民党支持者の中には「もういい加減、公明との関係を切ったらどうか」という意見が多くなってきました。世論調査を見ると、5割以上の人が関係切断を支持しています。というのは、公明がなくとも、国民民主党という連立相手がいるではないかという読みがあるようです。昨今行われた国民民主の代表選でも、野党同士の連携を目指す前原誠司でなく、自民党との連立を視野に入れた玉木雄一郎が再びトップになりました。自民との連立の機は熟した感があります。

 自民党支持者の不満は、公明党がわずかな国会の議席数にもかかわらず、国土交通省の大臣職を取っていること。国交省は鉄道、航空、道路、砂防・治水事業、さらには海保まで管轄するビッグな役所です。ですから、自民党のコアの支持者は公共事業の恩恵を受ける企業、人が多く、国交省の大臣を長く公明に握られることを快く思っていません。裏腹の関係で、公明が国交省大臣に固執するのはそれなりのうま味を感じているからでしょう。自民党国交省大臣ポストを奪回したいというのは宿願で、9月中に行われる今次内閣改造の焦点です。

 さらに、自民党支持者が公明を嫌がっているのは、ことごとく自民党宿願の政策に待ったを掛けていること。最大の問題は憲法改正です。公明が反対しなければ、もっと改憲のプロセスは進んでいたと思います。その点、国民民主は改憲に前向きであり、もし公明との連携を止めて国民民主に切り替えたら、もっとやりやすいでしょう。消費税10%アップの時も、軽減税率などという面倒な方式を持ち込み、混乱に陥れました。さまざまな例から、自民の支持者は公明との連立を嫌うのです。

 もちろん、自民党議員は、各選挙区にいる創価学会員の票が欲しいという面はあるでしょうね。衆院小選挙区の場合、各区とも1-2万票あると言われています。ただ、今、学会員は高齢化しており、その割には新規加盟者がいないので、組織は弱体化しています。小生は1-2万票などないと思いますが、野党と競り合っている選挙区では自民党候補者は1万票でもいいから欲しいと思っているのかも知れません。

 でも、よくよく考えてみてください。公明との提携を切っても創価学会員票は共産党には絶対に行かないし、全部が立憲民主党にも行かない。ましてや、大阪の小選挙区を奪いに来ている日本維新の会などに行くことは金輪際あり得ないでしょう。一部は自民党支持に残ります。自民候補は一部の学会票を失っても、代わりに国民民主と連立を組めば、その支持団体である自動車、電力、小売り、鉄道関係の大産別労組の票が期待できるので、むしろ選挙は有利になりましょう。

 であれば、自民党は自らの政策を実現するため、この辺で公明との提携停止を決断すべきなんでしょうね。自民議員もそういう状況を覚悟し始めているようです。こうして、なんとなく自民党に公明切りの動きが出てくると、逆に慌てだしたのは公明党の方。東京の新設選挙区の問題で、石井幹事長は「自民との信頼関係は地に落ちた」などと言って関係断絶をほのめかしたけど、結局、自民の公明忌避ムードを察して、再び自民にすり寄ってきました。国民民主党の代表選で玉木氏が選ばれ、自民との連立志向を示したことも危機感を持った原因でしょう。

 各地方議会でもそうですが、公明党はコバンザメ政党と言われ、絶対にトップ(政府で言えば首相、地方で言えば首長)の与党になろうとします。与党になれば、少なからず自らの政策を実現できるし、うま味も感じられる。その点、自己主張ばかりが強く、何にも政策実現できない完全ノ-タリン野党とは違います。という意味で、公明党は実に立ち回りのうまい政党でした。

 でも、自民党はもういいでしょう。この辺で自己政策実現のために、安全保障や財政が分からない支持層に囲まれた政党とは縁を切ったらどうでしょうか。宗教をバックにした政党は統一教会の例もあり、やはり潜在的な危険性を孕んでいると思います。

 上の写真は、横浜・伊勢佐木町モール周辺で見られる壁画。