7月初めの東京都議会選挙に向け、胸に一物を持った各党議員の動きが慌ただしくなりました。自民党は小池都知事との対抗姿勢を明確にし、民進党議員の中にはこの党に愛想を尽かし「都民ファーストの会」に移る人も出てきています。猿は木から落ちても猿だが、議員は選挙に落ちればただの人。ですから、議員はどういう選択をすれば生き残れるのか必死なようです。
自民党は一時期小池知事にすり寄り、彼女に対する都民の期待感を共有しようという態度を見せていました。でも、このすり寄りに対し、小池女史は意外とそっけなく、専ら自らの与党都民ファーストの会育成に邁進してきました。都民ファーストの狙いは明らかに「革新系」候補者でなく自民党議員を標的にし、彼らを落とし自ら当選することです。自民党はそれに気づき、対決姿勢を示さないと当選が覚束ないと判断したようです。
自民党は今後、恐らく小池知事自身や都民ファーストの会のスキャンダル探しで評判崩しを図る一方、都民ファーストと公明党との絆を絶つ作戦でしょう。具体的には、築地市場の土地、地下水の危険性を喧伝し、豊洲移転を遅らせる小池都知事らの”不作為”を追及すること。対公明党関係では、自民議員が出馬せず、公明議員が当選している衆院小選挙区もありますから、この辺で自民が公明に圧力を掛けることもありましょう。
小池女史にしても、もし都知事をスプリングボードにして国政に復帰し、トップ（首相）を狙うのなら、全国規模で支持者を持つ自民党のバックアップは絶対に必要であり、であれば現時点での全面対決は好ましくない。自民党中央幹部はその辺りのことを小池女史に伝え、一定の妥協点を探る可能性もあります。自民党はやはり組織がしっかりしているので強い。一時的な”熱病”で都民ファーストへ票が流れても、保守票はいずれ自民に戻ることは間違いないのです。小池女史はそこまで考えてるのか。
自民と都民ファーストの争いの谷間で存在感をなくしているのが民進党。なので、この党の都議会議員は同党を捨て、なだれを打って都民ファーストの会にくら替えしようとしています。選挙ポスターでも、二重国籍疑惑で今いち人気が出ない蓮舫党首と一緒より、やはり小池女史と写る方が迫力がある。背に腹は代えられない、議員の地位を確保しようとするなら民進離党は当然の流れなのかも知れません。
小池都知事があくまで自民党との対決姿勢を貫くなら、注目点は、自民党都連が中央幹部と一体となってどこまで都民ファーストの会を追い詰める工作ができるかという点でしょう。自民党の力は侮れない。小生は7月都議選で、自民が底力を発揮して一定議員数を確保する（前回数まではないにしても）と見ています。都民ファーストの会が多く獲る票は、むしろこれまで民進党など野党側に入っていた票のような気がしてなりません。
上の写真は、群馬県草津温泉の湯畑とその周辺の風景。今週、小中学校時代の友人数人と駆け足湯治をしてきました。
