つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

共産票上積みで民主党候補が勝てるのか

 日本共産党は これまでどの選挙も独自候補を立てて戦ってきましたが、今回の安保法案の成立を受けて選挙戦術を変え、自民党政権を倒すために部分的に最大野党候補に相乗りするとの考えを打ち出しました。つまり、最大野党というと民主党ですから、共産党の票を民主党に回しましょうという策です。民主党岡田代表はこれを歓迎するようなコメントを出していますが、果たして民主党はそれでハッピーなのか。
 単純に理解すれば、来年夏の参院選地方区で自民、民主の一騎打ちになった場合、これまで自民に僅差で敗れた民主党候補は共産票を上積みして勝てるということになりますが、果たしてその通りの読みでいいのか。小生の予想ではありえないと思います。1プラス1が2にならない。つまり、民主党候補の従来の獲得票の上にそのまま共産票がプラスされる票数にはならないということです。
 その理由の一つは、まず民主党支持者のかなりの部分は反共産党意識が強いのです。特に民主党の最大支持団体「連合」の旧同盟系は共産党嫌いの組合幹部が多く(これは小生のかつて取材経験からよく分かる)、共産党相乗りには抵抗するでしょう。ということで、民主党の各候補はあるいは連合の”脅し”を受けて、表面的には共産党が支持するのを敬遠するはずです。
 となれば、共産党は表面的には「自主投票」の形にして裏側で民主党候補支持を訴えることになりますが、末端の共産党員がそんな屈辱的な状態で積極的な選挙活動をするでしょうか。ありえないでしょう。公明党員が衆院小選挙区で「自民党候補を応援せよ」と中央から指示されても、積極的に動かないのと一緒です。共産党公明党は思想、宗教という「核」は違っても実に相似形です。
 もう一つ、自由主義の国にいる人間には感覚的に反共産主義の意識があります。それは、過去共産党が政権を取った国でどんなことがあったか、多くの人が理解しているからです。民主党共産党の支持を正式に受ければ、それは以後、民主党も中央集権的独裁の党かとみなされ、かなりの有権者は投票をためらいます。共産票がプラスされても、逃げる票もかなりあることを覚悟しなければなりません。
 民主、共産両政党の提携を以後の党勢の拡大という視点から見ると、どちらが得か。もし、正式に提携し、民主党候補選挙事務所に共産党員が入るような状態になったとしたら、それははっきりと共産党の方が得です。
 民主党は右から左まで統一方向性のないバラバラ政党ですが、共産党はまあまあ方向性が確立された政党。民主党支持者の中に徐々に共産党の方向性、勢力を浸透させ、最終的に民主党をバラバラにし、崩壊にまでもっていくかも知れません。岡田代表はそうした将来予測までできているのでしょうか。

 上の写真は、那須高原登山の帰り、寄り道して参拝した温泉神社境内での一枚。境内に「生きる」という名がつけられた古木があり、手術したばかりの小生もこの古木にあやかりたいと一枚撮ってもらいました。