つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

21対11、自民は野党統一に負け過ぎだ

 注目の参院選は終わりました。民進党は「改憲勢力が3分の2以上にならないように」などと非常に消極的な運動しかしておらず、自らが政権を取るための基礎固めといった覚悟はみじんも見えなかったので、惨敗と言わないまでも、弱体化に向かう結果に終わることは予想されたことでした。でも、自民に代わり得るべき勢力が減り、二大政党拮抗の状況がさらに遠のいていくのは、幾分残念な感じもありますが、、。
 今回の選挙結果。改選121議席のうち、自民党が56議席民進党が32議席公明党が14議席、おおさか維新の会が7議席共産党が6議席、社民、生活両党が各1議席、野党系無所属が4議席を獲得しました。この数をどう評価するかですが、自公で70議席改憲勢力という括りでは、おおさか維新を入れて計77議席。常識的に見れば、与党側の圧勝ということになるのかも知れません。
 でも、戦前の予想では、与党側がもっと取る、80議席は超えるのではないかと思っていました。そういう意味で自民党の機関紙にコラムを持つ小生の立場からすれば、快哉を叫ぶほどの満足感はなく、逆に野党側がまあまあ健闘した方ではないかという印象です。このブログでも書きましたが、最も注目していたのは、野党統一候補が出る1人選挙区の動向です。結果は、自民党が21勝、民進、無所属の野党側は11勝となりました。
 正直、小生は、自民党が負けるのは5選挙区くらいかなと予想していました。有名キャスターが出る長野や岡田克也民進党代表の地元である三重は仕方がないとしても、東北地方であれだけ負けるとは思いませんでした。秋田以外は軒並み自民が負け、おまけに新潟までも、あの元小沢チルドレンのおばさんに取られたのは意外でした。これは農政に対する自民不信でしょうか。
 民進党はこの1人区の結果をどう評価するのか。小生の見込みでは、あまり前向きな評価はできないのではないかと思います。野党統一で当選した民進党議員にとって、共産党票をもらったことを意識して行動しなくてはなりません。共産党はただで票を差し出さすほど甘い政党ではありませんから、今後、背後でじわじわと共産党の支配力が及び、彼らは恐らくそれにうんざりすることになると思います。
 逆に共産党としては、してやったりという気持ちがあるでしょう。少なくともこれまでのように単独の党公認候補者であれば、全部死に票になるわけですが、今回は統一候補当選者11人に対し、陰で影響力を行使できるようになるのです。民進党所属議員はともかく、無所属で入った4人はほとんど共産党と同一歩調を取るよう仕向けるでしょう。いや、否応なしにそうさせられてしまうかも知れません。
 今回選挙でもう一つの注目点、18歳からの選挙権付与は結果にどう作用したのか。どうもテレビ報道を見る限り、自公の政権側に多くの票が流れたようです。ははーん、これで分かりました。自民党は、若者が保守的であることを承知していたので、18歳からの選挙権付与に賛成したのだなって。小生は、社会、政治の仕組みも知らない若年者に選挙権を与えるのは反対ですが、結果が改憲勢力増しに貢献したのであれば、それはそれで良しとすべきでしょうか。

 上の写真は、京都の遊郭「島原」のあった跡地の門。戦後間もなくまで、この地は厚化粧をしたおいらんで賑わっていたことと思われます。