つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

立民、共産提携は結局、負けパターンになるだけ

 まず、総選挙の結果について触れておきます。前回ブログで小生は自民240-245議席、立憲130-135議席、維新30くらいと予想しましたが、大きく違った結果になりました。狂った原因の一つは、自民が比例区で結構票を取り、それほど負けなかったこと。実を言うと、自民については250くらいではないかと思っていましたが、選挙前、多くのマスメディアは自民党のぼろ負け、立民党の大幅増を言っていましたので、それに引きずられた感もあります。でも260を超える数を獲得できるとは予想もつきませんでした。

 反対に、現有議席を10以上減らした立民は惨敗なんでしょうね。大方のメディアの”期待”?、予想を裏切りました。テレビの戦評会に出た立民の長妻や福山は、立民、共産提携は間違っていなかったなどと強弁していたけど、これは明らかに失敗だったと思います。確かに、立共提携で小選挙区は伯仲し、勝ち切ったところもあるけど、冷静に見ると、微妙な力関係が働いてやはり全般的には自公系候補者の方が強いのです。負けた自民議員は老練であまり地域活動をしていない人、多選で自信満々であまり選挙区に帰らない人、横柄そうな人というのが共通しています。石原伸晃野田毅甘利明らを見れば、一目瞭然。

 その傾向は、自民議員に限らず、立民系候補にも見られます。辻元清美小沢一郎が典型的な例。態度が偉そうであったり、俺はもう10数回も当選してきたのだ、負けるわけがないという過信があったりの人たちです。小沢は比例で救われましたが、小選挙区の敗戦で、彼がずっと持ち続けてきた政治パワーはかなり削がれたと思います。今回の小選挙区は立共提携で1対1の対決が多かったのですが、これは1990年代から2000年代にかけて見られた与野伯仲の対立に戻った感があり、改めて中選挙区から小選挙区に変わった意義があったように思います。

 でも、ひとつ明確に分かったのは、自公と立共の対決で、普通の候補者同士だったら、やはり自公の方が有利なのかなということ。これまでの国政選挙で政党別得票数を見ると、公明は全国で平均700万票を獲っており、これに対し共産は平均400万票です。この数字が自民、立民候補者が小選挙区でプラスされる分だが、この1対1・75の差が決定的な意味を持っているのではないか。つまり、立共提携を続けても、最後はこのプラス分の差で自公系が勝つと思います。

 テレビの戦評討論会に出た立民、共産議員は、小選挙区では立民候補者が健闘したとか、負けるにしても伯仲したとして立共提携を評価し、今度も続ける構えを見せています。これは彼らの勝手ですが、自民議員はそういう方向をむしろ喜ぶのではないか。前回も書きましたが、立民が共産に寄ることで本来立民に入れても良いと考えていた人の2,3割は他党候補に流れてしまいます。それに提携というか野合は、2回、3回と続けると新鮮味がなくなり、効果が出なくなります。立共提携は結局は負けパターンに陥るのです。

 共産党には古来、統一戦線方式という政治マヌーバーがあります。これは、少数の共産党が大きな反権力集団の中に入り込み、その中でヘゲモニーを確立し、少数で組織全体を乗っ取ってしまうという手法です。これは過去、ソ連でも中国でも見られました。恐らく、当選した立民議員は、あとあと恩着せがましく共産党から個別要求を突き付けられ、次第に共産党の言いなりにさせられてしまうでしょう。それでも議員の椅子欲しさに、共産党と提携を続けるのか。

 次に維新について触れます。今回、率直な感想として、維新は獲り過ぎなのではないかと思いました。維新は基本的に新自由主義の政党です。つまり公的な機関の規模や職員数を減らして、行政サービスを縮小して、彼らの言い方では「身を切って」政治を進めるというスモールガバメントが目標。小生はその本質を理解して支持しますが、今回維新候補者に投票した有権者はどれだけそれを理解しているのでしょうか。

 ただ、保守であっても、小選挙区の自民候補者は好かない、灸を据えたいと思う人もいたでしょう。そういう人は小選挙区では仕方なく反自公候補に入れながらも、比例では維新を入れていたと思います。維新が反自民の受け皿になっているのなら結構。松井代表は総選挙後すぐに、自民、国民民主を巻き込んで憲法改正に突き進もうと意気込んでいます。これは維新勝利の素晴らしい成果です。改憲はしない、安全保障は考えない、日米安保体制否定などという無茶な政党の議員が増えないだけでも今回の総選挙結果は良かった。日本の政治風土はまだまだ健全です。

 上の写真は、横浜馬車道にある有名な中華料理店「生香園」。うまいけど値段はそれなりに高い。