つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

国際情勢が動いている時にこの体たらく

 自民党の森山国会対策委員長が最近、「野党が国会で内閣不信任案を出すなら、解散も選択肢」と述べたのには驚きました。昨年秋に総選挙をしたばかりで、まだ半年余りであるこの時期にまたまた解散話とは恐れ入ります。でも、よくよく見れば、今の国会は、モリ・カケ問題とか、公文書が残っていたとかなかったとか、セクハラ問題とか、こう言っては何ですが、”内輪”のことばかりが話題になっていて膠着状態にあることは理解できます。
 今、南北朝鮮、米朝の首脳会談が予定されているほか、米中の貿易戦争に日本も巻き込まれそうです。国際情勢が大きく動こうとしている、そんな時に野党は内輪のことの追及に躍起になっているだけでいいのか。追及に対し、政府、自民党が少しでもボロを出すと、鬼の首を取ったようなはしゃぎぶりです。自民党もまた悪乗りして解散話などを持ち出しブラフをかけるとは、恥の上塗り。こんな国会でいいのかととしみじみ思います。
 きょう、ある政治記者OBと電話で話す機会があって、そんな話になりました。朝鮮半島をめぐる動きが急なときだけに、本当に国会で与野党が議論してほしいのは、安倍首相がこの事態にどう動くべきなのか、米韓首脳に拉致問題を話させるためにさらにどんな工夫が要るのか−など。日本の立場を強く主張するような方策を議論してほしいし、野党はその面で積極的な提言をしてほしい。でも現実は、なんてことない麻生財務相の辞任を求めて、ずっと国会欠席ですと。なんかダダ子がぐずっているだけの情けなさ。
 その上、森山国対委員長の解散示唆発言に、「なぜだ」と野党は猛反発したけど、これもおかしい。確かに冷静に見れば、半年後の総選挙など具の骨頂、無駄遣いにもほどがある。でも自民党が今、体たらくの状態にあり、自分たちに有利な情勢にあると見るなら、野党側からはむしろこの発言を奇禍として議席増加を目指し「では、解散しろ。望むところだ」と言うべきだと思います。それが、むしろ解散を恐れおののいているのは、どうしてなのか。
 今度の国会で自民党、いや安倍政権はボロが出過ぎたために、支持率を落としています。ところが、安倍政権のマイナス分がゼロサムゲームで即野党への支持になっていないんですね。選挙民は、所詮揚げ足取りだけの野党など少しも信じていないので、総選挙になっても投票しない。やはり自民党の一人勝ち。そんなことが野党側も分かっているから、解散を恐れおののくのでしょう。森山氏もその状況を予想して脅しをかけたのです。実に悲しい政治状況です。
 それから、おかしいのが希望の党民進党の合併による新党名が「国民党」ですと。これは台湾人ならずとも笑ってしまいます。台湾では統一系が「国民党」、独立系が「民進党」として対立する、不倶戴天の政党同士です。ですから、台湾のことを少しでも知る人には、民進から国民への党名変更はまさに180度政策転換したような感じを与えます。そのことは玉木代表、大塚代表も重々ご存じのはずですが、こんな名前しか創り出せなかったのはどうしてでしょうか。

上の写真は、大学へ通っている路上にあった一光景。