つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

金正恩と大韓航空激高姉妹の共通性

 大韓航空経営者はいったい何を考えているのでしょうか。韓国のビッグ企業であるのに、彼ら創業家一族のやり方を見ていると、あまりにもお粗末、自分勝手。自らの評価が即国家への評価につながってしまうという点をみじんも考慮していないように感じられます。でも、見方によっては、これも朝鮮半島の人の特性か。北朝鮮の刈り上げ君を見ても、気性の激しさが似ているように思います。
 日本で言えば日本航空のような国策会社であるのに、大韓航空は特定財閥「韓進グループ」系の企業で、創業者のチョ・ヤンホ会長一家で支配しているそうな。今回問題になったのは会長の次女であるチョ・ヒョンミン専務取締役(34)。子会社の広告会社相手のビジネスミーティングで、ヒステリックにわめく音声がしばしばワイドショーなどに取り上げられています。
 一説には、暴言どころか、目の前にいるミーティング相手にコップの水をひっかけたとも。そもそも創業家とはいえ、あまり実務経験もなく、際立って優秀でもないと見られる34歳の女性がなんで専務になるのか。理由は簡単、オーナーの家族、実子であるというだけのことでしょう。でも、父親はよくこんな”小娘”を国を代表する企業の重役に据えるものです。まずこの点からしておかしい。
 次に驚くのは、ヒョンミンの姉であるヒョナも2014年に威嚇事件を起こし、まだその記憶が消えないうちの同様事件であったこと。ヒョナは自社機内でアテンダントのナッツの出し方が悪いとわめき、動き出した航空機を勝手に戻すよう命じたのです。これは航空法違反という犯罪ですから、逮捕され拘束されました。父親はあの事件から家族支配に問題があるとして反省しなかったのか、家族を経営から遠ざけようとしなかったのか。われわれは理解に苦しみます。
 NHKが先週末、ドキュメンタリー番組で、北朝鮮の独裁支配者、金正恩を取り上げ、その個人の性向、力の源泉、核・ミサイル開発の理由などをクローズアップしていました。それを見ても感じたことですが、南北朝鮮という場こそ違え、北の金ファミリーの支配と南の財閥支配の体質はそう変わらない。要は一族支配の無茶ぶりが突出されるということです。
 金正恩は相当激しい性格のようで、自らに敵対するような様子が見られると、たとい義理の叔父であっても、忠実な部下であっても簡単に抹殺してしまう。その激高度合も、何だか大韓航空チョ姉妹に共通しているように感じます。金正恩もチョ姉妹も同じ朝鮮半島人と見るなら、もともとそういう民族性であるのか、あるいは、唐辛子を多用する辛い料理に関係するのか、共通の原因がありそうです。
 金ファミリーは3代続いているが、大韓航空も今後も家族支配を続けるのでしょう。二度あれば三度あると言います。チョ・ヤンホ会長は今回の事件を受けて、2姉妹を会社のポストから更迭したそうですが、2姉妹のほかに兄弟がいてまだ会社に残っているとしたら、あるいは将来、彼女らの実子が会社に入るとしたら、またまた事件が起きそうです。残念ながら、家族支配が変わらない限り、この種事件の芽は摘めません。

 下の写真は、日比谷公園松本楼の風景。先週末、公園を散歩していたら、ここで結婚式をしているのに遭遇しました。