つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

自分はやっても、やられるのは嫌か

 人間は他人の悪口をよく言う割には、自分に対する悪口を過度に気にかけます。これは国家も同じようで、北朝鮮は支配者の金正恩を皮肉ったソニーピクチャーズの「インタビュー」という映画に文句をつけ、同社にサイバー攻撃まで仕掛けました。また、韓国にいる脱北者朝鮮半島38度線近くから飛ばすメッセージ入り気球に対しても神経質とか。そのくせ、自らはしっかり米国、韓国、日本の悪口を言いまくっているのですから、話になりません。
 「インタビュー」という映画の内容はよく分かりません。確かに金正恩に似た人物が出てくるようですが、それほど彼らの逆鱗に触れる内容なのでしょうか。人の批判を恐れるというのはある意味、自分に自信のない証拠でもあります。中国などもそういう傾向がありますし、今度フランスで発生したテロ事件もムハンマド冒涜への報復ということが理由でした。
 気球で飛ばすメッセージについて、小生、詳しく承知しているわけではありませんが、単に脱北者の消息だけでなく、北朝鮮の暴政(これは北の国民は分からない)、韓国の豊かさを書いているようです。そしてその豊かさを示すように酒、たばこ、果物なども一緒に飛ばしているようです。物品はともかく、北の一般国民が気球のメッセージを読んだら、かなりの影響を与えることは否めません。
 「インタビュー」の映画はまず北朝鮮内に入ることはないと思いますが、気球は気流に乗って即北側に達します。恐らく、北朝鮮内では、拾って読んだ者は極刑に処すとなっているのでしょうが、それでもひそかに読む人はいるはずです。そういう外の情報はボディーブローのように効いてきて独裁の崩壊を呼ぶ可能性もあるのです。かつて西ドイツなどの情報が入った東ドイツがそうでした。
 そこで、北朝鮮は、入ってくる気球を高射砲で撃ち落としているとか。中国がインターネットで一定情報をカットするため、ファイヤーウォールを敷いているのも似たところがあります。でも、西側の常人感覚からすれば、「たかが気球に高射砲とはまたエキセントリックな」と思わざるを得ません。南北会談をする際には必ず、北側は必ず「気球を止めさせろ」と言うそうですから、それだけ気にしているということでしょう。
 その一方、北朝鮮は国営のメディアで、オバマ大統領が黒人系であることを言外ににおわせて、「オバマ熱帯雨林にいる猿の顔だ」などと人種差別的な発言をしているのですから、世話ないです。自分は悪口を言うのは構わないが、言われたら不愉快だ、徹底攻撃してやるという姿勢のようで、実に小心と言うか、勝手と言うか。これではまともに話す相手にはなりませんね。

 上の写真は、ちょっと時期外れになってしまいましたが、香港チムサーチョイにある半島酒店(ペニンシュラホテル)のクリスマス・イルミネーション。