つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

民進、希望、立民の再結集って何!?

 民進党の年次大会がこのほど開催されました。正直言って世間一般的に見れば、「あれ、民進党って希望の党立憲民主党に分裂したんじゃないの。まだあったの」という感じですが、参院議員を中心にまだ実在しているんですね。ほとんど存在意義がないけど。それなのに、大塚耕平代表は「昨年、希望に丸ごと入ることを決めたのは間違いだった。民進、希望、立民の再結集をしたい」などと言っています。ピンボケも甚だしい呼びかけって感じがします。
 3党はもともと民進党で同じ政党だったのですが、その時の支持率を覚えていますか。わずか7%程度、今の立民とほとんど変わりません。その原因は、憲法改正問題、安全保障政策や税政策などで党内でかなりの齟齬があったからです。言わば烏合の衆であるので、有権者は戸惑うばかり。かつての民主党政権のまとまりのなさを見ていますから、こんな政党に二度と政権など取らせるべきでないと支持しなくなったのです。
 前原誠司前代表が希望の党に希望を託したのは、そういう反省から憲法、安保への対応が違う人を排除して自民党に対抗する政党を目指したのではありませんか。それなのに、過去のいきさつを一切排除する形で再結集などナンセンスの極みです。恐らく、こんなことを言っているのは労組のナショナルセンター「連合」の差し金があったからでしょう。彼らには彼らの事情があって、せっかく労働団体が一緒になったのに、議員たちがかつての総評系、同盟系、中立労連系などに二度と分かれてほしくないとの思いがあるのでしょう。
 でも、憲法と安保は基本政策ですから、これで考えが違うのなら同じ政党にいるのはおかしい。そういう意味では、枝野幸男立民代表が「再結集はありえない」と主張しているのは筋が通っていると思います。逆に、次期選挙のことを考えてか、希望の党に移った旧民進党の方が、弱気になってなんか立民にすり寄る姿勢も見せています。
 その一つの証拠は、玉木雄一郎希望の党代表が国会で「自衛隊憲法に明記するのは反対」と言って、安倍首相が昨年提示した憲法改正案に同意しない考えを示しました。彼自身の意見であるのなら、彼だけ立民党に行けばよかったということです。でも党代表の国会発言なので、曲がりなりにも希望の党全体の主張と見るしかありませんが、であるとしたら大問題。
 主力メンバーである長島昭久細野豪志議員や前原元代表らの民進党出身の保守系議員は自衛隊明記反対に納得しているのか。もし、了解しているのであれば、小池百合子代表が昨年秋に示した希望の党の立党精神を大きく踏み外すことになります。改憲反対、集団的自衛権拡大許さじであるなら、昨年秋、小池都知事の”フォロー風”に踊らされることなく民進党のままでいればよかったです。
 なぜ、あの時点で小池の流れに乗ったかと言えば、小池の人気にあやかりたいと思ったばかりでなく、それまで民進党内にあった、自民党のやることは何でも反対、永久に野党のままでもいいといった姿勢に、一部の保守系議員がうんざりしていたからではなかったのか、こんなことでは二度と政権が取れないという危機感を持ったからではなかったのか。
 それなら希望の党は今、初志貫徹で、立民にすり寄るなどは止めた方がいい。立民は永久野党志向の政党、昨年総選挙の”風”はやがて止み、所詮1−3%支持率の政党になるだけですから。大塚代表も立民にすり寄らず、現実的な政党を目指すなら、むしろ希望と合併し、自民党に代わり得る政党の在り方、憲法改正、安保政策は同じながら、どこで違いを出すかという点を摸索する方がいいように思います。

 上の写真は、友人から送られてきた秋田犬のぬいぐるみ。