つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

現政権下での改憲ダメの意味が分からない

 通常国会が始まって憲法改正問題が注目されています。自民党では国会の憲法審査会に提出する草案について、今、9条1、2項を残して自衛隊の存在を明記する公明党の加憲案みたいなものがいいのか、それとも2012年に作った自民党憲法改正草案のような9条2項を変えて、交戦権や戦力保持を認めた上での自衛隊を明記がいいのかで対立、激しい議論がされています。
 3月末の自民党大会までに結論を出す方針のようですが、自民党内でまだまとまらないのですから、さらに紆余曲折がありそうです。ただ、事情通に聞くと、公明党やその他の改憲支持政党の賛成を得るためには、やはり9条1、2項を残して自衛隊を明記する、安倍首相が昨年の憲法記念日に提示した”玉虫色”の改正案に落ち着く雲行きのようです。
 昨夜、フジテレビBSチャンネルの「プライムニュース」では、憲法改正問題が俎上に載っていました。フジテレビ系のFNN調査では、憲法改正への支持率は6割くらいになったそうです。ただ、共産党小池晃書記局長は「安倍政権下での憲法改正はだめだ」と強調するのです。朝日新聞共同通信世論調査の時に「安倍首相が現在進めている憲法改正…」と必ず「安倍」の言葉を前振りすると、改正に反対する意見が5割を超えるそうです。
 これってどうしてなんだろう。安倍首相はそんなに嫌われているのか。自民党の誰が総理大臣になっても、党全体の結論が国会に出てくるので、そう変わりがあるわけではない。いや、むしろ石破茂氏が首相で憲法論議をリードするなら、中身はいわゆる左派の嫌うもっと過激なものになってしまうでしょう。なぜなら、彼は9条2項の変更論者ですから。
 史上最低の総理だと言ったジャーナリストがいたけど、安倍首相の支持率は現在、5−6割に達しています。それだけの支持率を背景にしているのに、安倍政権下での改憲はだめと言う論理構成がよく分からない。「安倍が嫌だから別の政権で改正」と言うなら、だれが首相になれば納得できるのか。小生の周りにも安倍嫌いが多いのですが、「では誰がやればいい?」と聞くと、ほとんどが答えられない。オータナティブを出さないのでは、単なる不満分子、わがままに過ぎないのじゃないのかと小生は思います。
 ちなみに、安倍嫌いからは、首相候補として間違っても枝野幸男志位和夫玉木雄一郎などという野党指導者の名前は出てこない。批判だけの政党への期待感など微塵もないからでしょう。そんな中で、辛うじて出てくるのは、石破茂小泉進次郎小池百合子の名前だが、彼らはみんな自民党保守系政治家であって、ある意味安倍氏より憲法に関してははるかに”強硬論者”です。
 「安倍政権下での…」と前触れして憲法改正の是非を聞くのは、ためにするいかがわしい聞き方です。そういうマスメディアの調査など歯牙にも掛けないことにしましょう。

 上の写真は、通っている大学近くの会社内にある二宮尊徳像。本やスマホを見ながらの歩きは危ないので、最近は見られない石像。