つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

一日も早く憲法上に自衛隊明記を

 自民党内で、憲法改正案の原案づくりが進められていますが、これまでのところ、意見集約には至っていないようです。安倍首相は昨年の憲法記念日に、「9条2項を残したままで自衛隊を明記する形がいい」とサジェストしましたが、「2項を残したままだと、自衛隊が戦力とならない」とか「交戦権を否定しての自衛隊はナンセンス」との反対論もあり、一筋縄ではいかない流れとなっています。
 中国軍の海外進出や北朝鮮の核ミサイル・挑発があって、東アジアの軍事情勢は混とんとしており、先行き不安です。日本もしっかり防衛のための軍事行動ができるよう用意しておかなければなりません。それなのに、いまだに野党第一党憲法改正に反対だし、「戦争イコール絶対悪論」を言う人がいるのには本当にあきれてしまいます。
 でも、政権党の自民党がしっかりと安全保障の論を進めているのは、頼もしい限りです。いざという時に第一線に立って国家を防衛する自衛隊の存在が憲法に明記されていないのは実におかしなことだし、命をかける隊員たちに失礼です。人間、自らの利害にかかわらないことに命を投げ出すのは、よほどの理由がなければなりませんが、根底にあるのはその死に名誉や誇りが与えられるかどうかなのです。
 一般に、理性を持つ人が命をかけるその理由を考える場合、家族、友人を守る、自らが生まれ、はぐくんでくれた土地、郷土を守る、自由と民主主義という素晴らしい制度を守るということでしょうか。少なくとも現在の日本人にとって、北朝鮮のように「首領さまを守る」とか「独裁体制を守る」とか、中国のように「共産党を守る」ということにはならないでしょう。戦前は「国体を守る」というものがありましたが、、。
 憲法の話に戻せば、小生はどう考えても、9条の2項を残したままの自衛隊明記は不自然さが残ると思います。何か胸のつかえがあるような、言いたいことが十分言い切れないような、トイレから出ても残尿感があるような感じがしてなりません。その点では石破茂議員が強く主張する2項改正論の考え方に賛成です。
 われわれは、いかなる他国の侵略に対しても断固武力で対抗するという強い意思を示すべきで、そのために憲法上で交戦権は明示すべきです。自衛隊も戦力として明確に位置づけるべきです。もし、戦死者、殉職者が出た場合、その名誉を顕彰すべきです。東日本大震災で何人かの自衛隊員が殉職されましたが、でも彼らの顕彰碑があるのは、一般人が自由に立ち入りできない市ヶ谷の防衛省敷地内の一角です。それでいいのか。
 でも残念ながら、2項を変えると公明党が賛成しませんね。多くの憲法改正反対論者の反発を買うことは必至であり、2項を変えたら、要は、憲法改正に少しも着手できない状態がまたしばらく続いてしまうのです。これも困りもの。やはり、十分と言えないまでも、一日も早く自衛隊憲法に明記すべきだという観点に立って妥協点を探っていかなければならないのかも知れません。

 上の写真は、香港の観光バス車内にあったウルトラマンの人形。運転手はウルトラマンファンのようでした。