つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

「排除の論理はおかしい」はおかしい

 総選挙をめぐる情勢はますます面白くなってきました。あの小泉首相が仕掛けた郵政解散時に匹敵する「劇場型」選挙の様相を呈してきました。民進党希望の党へまるごと”合流”を決めたのは驚きですが、それに輪をかけて驚いたのは昨日まで「安保法制」反対と叫んでいた人たちまでが「希望」に入ろうとしていること。節操がなさ過ぎます。
 小池百合子女史は、合流の条件として、憲法改正や2年前の安保法制に賛成していることを挙げ、民進党前議員が「希望」へ公認申請するなら、その2つを踏み絵をするとしています。これは至極当たり前の発想。国家の基本にかかわることですから、この点で一致できない以上同じ党にいるのはおかしいと思います。
 そもそもさまざまな思想の議員を取り混ぜていた民主党民進党は政党の体をなしていなかった。ですから、政権は長続きせず、最後は分裂、解党の憂き目を見るのです。反自民、最近では反安倍でまとまるのはいいが、その先の国家の在り方を示さず、自分たちの立場も明らかにしないのでは有権者は納得しません。
 改憲、安保反対に頑なな民進党前議員を「希望」が吸収し、政権を取ったら、党内は混乱し、あの出鱈目だった民主党政権に二の舞になってしまうでしょう。小池女史が排除の論理を振りかざしたのは当然。ですが、これに連合の神津里季生会長やTBSの番組で評論家の寺島実郎氏が「排除の論理はおかしい」と言っているのには驚きました。
 どう見ても、同床異夢の烏合の衆が一つの党に寄り集まっている方がよっぽどおかしい。共産党に「憲法改正は必要です」と言う者が入党しようとしたら、認めるのか。「宗教団体は政治に口出しするな」と叫ぶ人が公明党に来たら、受け入れるのか。「日本のこころ」は靖国神社参拝反対を言う人を歓迎するのか。ありえない。ごちゃまぜは混乱を呼ぶだけです。
 その点、辻元清美議員や阿部知子議員、北海道の旧民進党議員らが進んで「希望」には行かない、無所属で戦うと宣言したのはある意味立派です。「現実的な安全保障よりも、現憲法を死守し、その一条一句まで守ることが大事だ」と考える人は正々堂々と有権者にそう訴えればいいのです。
 自らの信じる政治信条に忠実なことは政治家のモラルです。議員でありさえすれば良い、「昨日は昨日、今日は今日」「当選できるのなら、どういう思想にもなびく」というのではあまりにもおぞましい。それは政治家でなく、生活のための”国会就職”でしかないでしょう。
 思想的に社共に近い赤松前議員らの旧社会党系グループや管直人枝野幸男両前議員は、なぜ排除されるまで「希望」公認に固執しようとするのか。みっともない限り。「小池が何だ、偉そうに。われわれは元首相、官房長官だぞ」と言って、さっさと尻をまくるべきです、自ら決別宣言をするべきです。
 そして「改憲、安保法制支持の希望の党は第二自民党だ、こんな党に入れるものか」と声高に叫んで大いに批判したらいいと思います。どうやら、今日の新聞を見ると、管、枝野両氏は申請しても排除されるようですから、結果的にそういう立場に立つのでしょうが、、。

 上の写真は、赤穂城城址公園内にある大石神社。