つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

発展可能性ある南の街・南寧

 しばらくこのブログをお休みしてしまいました。というのは、ゴールデンウイーク中に、中国の上海と南寧を旅行していたからです。実は、4月いっぱいで3年半勤めた翻訳会社を辞め、神田小川町にある一般社団法人の代表理事に納まりました。その仕事は、中国と日本の経済、文化活動の交流を支援、促進を図るもので、その一環として中国を訪問したのです。
 ベトナムと国境を接する広西チワン族自治区の区都南寧は、内陸部にありながら開発が進んでいて、旧市街の東方に新市街地を作り、そこに新オフィス街、高級住宅街を建設中です。その一角に中国ASEAN国際ビジネスエリアが設けられ、ASEAN10カ国のほかに日本、韓国のそれぞれの風情を持った街区が設定されたのです。日本街区は「日本園」と呼ばれ、日本的な建物と庭園、店舗が作られました。
 南寧は郊外人口まで入れると、700万人という大都会。実際、夜10時過ぎても、住民は南国特有の宵っ張りで、街中はネオンがきらめき、人であふれています。そういう活気のある町なのですが、これまで広東省までは理解されても、その隣にある広西チワン族自治区までは理解されないようで、日本企業はほとんど進出しておりません。そこで、日本園の中国人社長から依頼され、日本園の宣伝、ここに出資、出店する日本企業の仲介の手伝いをしています。
 確かに、住民の収入はいまだ北京や上海などの大都会並みとはいかないでしょうが、同自治区の年率14%という高度経済成長から今後の期待度は高いものがあります。第一、中国とASEANの間は今年1月1日から関税ゼロの自由貿易圏となり、物と人の動きが一段と盛んになっています。さらに南寧は年一回開く「ASEAN博覧会」の恒久開催地で、ASEAN各国の領事館が続々建てられており、これら諸国との関係は強まっています。そういう意味で、この都市の発展可能性は大きいものがあると言えましょう。
 日本は好むと好まざるとにかかわらず、中国との経済関係を無視して生き残ることはできません。その中で、日本の矜持を守りつつ、中国とどう付き合っていくかを考えなければならないと思うのです。
 下の写真は、南寧でいちばん高いビル「地王大廈」の最上階展望台から市内を望んだ風景。川が湾曲した中にビルが建てられ、自然と建造物が調和した美しい町です。