つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

日本は尖閣問題で宣伝戦に負けるな

 22日から東莞、珠海、広州という中国南部・珠江デルタの各都市を回って、27日夜、帰ってきました。尖閣諸島問題が沸騰している折、ブログが書けないのは忸怩たる思いがありました。日本に帰ってきて、さまざまなところで見聞きするに、どうも今回は日本人はかなりの勢いで怒っている様子ですが、中国いながら小生も同様の気持ちでいっぱいでした。
 中国のマスコミはテレビも新聞も、この問題を大きく取り上げています。ですから、一般市民はそれほど関心がなくとも、否が応でも知ることになります。広州市の薬屋で、小生が日本人と知ると、ある老人が尖閣問題で話しかけてきました。彼らは、当然のように、つまりアプリオリに「釣魚島は中国の領土なのに…」という言い方をします。
 ですから、小生は「釣魚島(尖閣諸島魚釣島の中国名)が中国の領土って、いったいだれが決めたの」とその老人に言ってやりました。中国は国内宣伝がうまいせいか、庶民はなんの疑問も持たずに自国の領土と言ってきます。香港でも、1990年代の駐在記者時代に保釣運動(中国の尖閣諸島領土化運動)が盛んで、彼らも同じように言っていました。これには本当に腹が立ったものです。
 でもその実、彼らは尖閣がなぜ中国の領土なのか、その論拠を全然知らないのです。政府やマスコミが言っているから、オウム返しに言っているだけです。中国の統制マスコミでは反対意見は一切出ませんから、それだけ彼らの公式見解は強烈です。ですから、日本も宣伝戦に負けてはなりません。
 実は、小生もこの尖閣諸島の領有問題で本を書いていますが、日本が尖閣を領土化したのは、1895年に「無主地の先占」という国際法上の正式な手続きを取っており、何ら不備はないのです。ですから、法理論的には、明確に主権が存することを大々的に説明したらいいと思います。宣伝戦で中国に負けないようもっとこの点を強調すべきだと思います。
 下の写真は、三重県にある御在所岳を登山中の小生。