つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

反日デモでなく、劉暁波の釈放デモをやるべき

 なにやら、今日のニュースを見ていると、中国の大都市で反日デモが起きているそうな。これを見ていると、中国よ、もっと大人になったらどうか、と思わず叫ばざるを得なくなってしまいます。反日デモといっても、中国国内外の人がすぐに理解できるように、所詮、当局が裏で糸引く官制デモにすぎないのですから。
 そうじゃないと言う人がいるなら、改めて問いたい。では、どうして劉暁波ノーベル平和賞受賞を支持し、共産党一党独裁に反対するデモが起きないのですか。どうして逮捕されている数多くの人権活動家の釈放を求めるデモが起きないのですか。共産党が反対していない、いやむしろその目指す方向に沿った尖閣諸島の領有主張のデモばかりとは不思議ではないですか。
 反日デモでいつも犠牲になるのが中国に出店している日本系の企業です。小生、成都のイトーヨーカ堂にも行ったことがありますが、開店、閉店時に従業員が入口に立って丁寧にあいさつする典型的な日本的情緒を持った店でした。そうした礼儀の徹底、商品の質の良さが中国人に受けているようで、われわれが行ったときも店内は大賑わいでした。ふだん、中国人から慕われているこうした店が攻撃の標的になること自体、意図的、計画的な臭いがしてなりません。
 本来は、劉暁波釈放のデモが起きて然るべきでしょう。香港では現に、そうしたデモが起きていますから、大陸でも一党独裁に反対し、民主化を支持する人は数知れずいるはずです。でも、中国でそうしたデモが起きていないということは、当局がAの件についてはデモを認めるが、Bの件については認めないという多分にご都合主義的に判断しているからに過ぎません。現実は、知識人が会合を開いてささやかな劉支持の動きがあるのですが、デモまでには至ってません。劉支持のデモを認めれば、共産党一党独裁に確実にヒビが入るからです。
 ついでに言えば、中国当局は劉のノーベル賞受賞にまたしても過剰反応し、ノルウェーとの関係を切る動きに出ています。まったく尖閣諸島での船長逮捕事件が起きた時と同じで大国にあらざる狭量な対応で、中国共産党のあせりか懸念か、そんなものを感じざるを得ません。小生のように、中国好きの人間からすると、北京当局の対応はさびしい限りです。
上の写真は、広州市内を流れる珠江の夜の風景。ライトアップしたビルのイルミネーションが川面に反射してきれいでした。下の写真は、広州一のファッションストリート、北京街の風景。なぜか、香港にいるような錯覚にとらわれました。