つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

テロ封殺に屁理屈は要らない

 オサマ・ビンラディンが米特殊部隊によって射殺された時、小生は中国を旅行中でした。夜テレビのニュース番組を見ると、結構派手な扱いで、当局マスコミの解説員のような人が出てきて、今後の情勢などを分析していました。ただ、表面的には露骨な批判は避けていましたが、米側のこの行動については微妙に不快感を持っているようでした。
 というのは、米軍がパキスタンの領内で、同国に事前通告もなしに行動したわけですから、完全に主権侵害行為です。日本もかつて東京都内のホテルで、韓国のパクチョンヒ大統領の政敵である金大中氏が同国情報機関によって拉致されるという主権侵害を受けた経験がありますが、はっきりいって気持ちいいものではありません。この辺は、中国の感覚を若干共有できるものがあります。
 ただ、ビンラディンがこの世からいなくなったということはある意味、恐怖の元凶が一つ消えたわけですから、われわれとしても素直に喜んでいいのではないでしょうか。報道ステーションで、朝日新聞出身のコメンテーターが「報復の連鎖を呼ぶ」などと訳知り顔で米側の強硬措置を批判していましたが、小生などからすれば、「じゃー、どうすればいいと言うのか」と逆に問いたくなってしまいます。
 改めて問いたい。では、今のままでいいのですか、ビンラディンには何もしなくてもいいのですか。このまま、世界各地でテロが起きても、われわれはひたすら甘受すればいいのでしょうか。それとも、ビンラディンにもう二度とテロを起こさないよう説得できるとでも言うのでしょうか。
 ビンラディンが率いるアルカイーダは、2001年の9・11事件で米同時多発テロを起こし、3000人以上の人を殺傷しました。彼らには彼らの論理があるでしょうが、こちらが一定の妥協をすれば、彼らが矛を収めるわけでもなく、基本的に彼らは人々の恐怖を楽しむ悪魔の使徒でしかありません。ですから、福島の放射能漏れが徹底的に封じ込められなければならないのと同じように、彼らも徹底的に封殺される対象でしかありません。反テロリズムには何の理屈も要らないのです。
 小生からすれば、むしろあの事件以後、米側の必死の追及にもかかわらず、よく10年間もその命を永らえてきたなという感じ。このこと自体驚きに値します。しかも、山奥の洞穴にいたわけでなく、普通の農村地区の豪勢な家屋に若い女(何人目かの妻か)といたというのですから、腹立たしい限りです。やはり、パキスタン政府は反テロで米に協力するふりをしながら、陰でビンラディンを支援していたとしか思えません。あの国は本当に信用できません。
 下の写真は、山東省淄博市郊外の農村地区で見た老犬。