つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

人徳は清武氏よりご老体の方が上?

 プロ野球巨人軍の代表である清武英利氏が親会社であるY紙のご老体にたてついた問題については、前々回のブログで書きました。この問題の本質は何だろうと、小生はたいへん興味があったので、その後Y紙記者とかスポーツ紙の記者とかに取材してみました。そこで分かったことは、どうも清武氏の反乱は”単独犯”で、権力闘争でもなんでもない。単に、怒りに任せた行動で、今後の成算なしに独りで立ち向かった蟷螂の斧事件であることが浮かび上がってきました。
 スポーツ紙のベテラン記者に聞くと、この問題はやはり世間の関心を集めたようで、あの発表の翌日のスポーツ紙朝刊は普段の1・5倍も売れたと言うのです。サラリーマンにとっては、上司にたてつくのは痛快であるから心情的に同調すると同時に、やはりこの反乱がどう発展していくのかという点に興味があったのでしょう。当日は日本シリーズ第1戦があり、翌日はその結果が一面になるのが普通でしたが、なんと日本シリーズを一面にしたのは東京中日スポーツだけで、他のすべてがこの問題を一面に持ってきました。
 小生も翌日、スポーツ紙や夕刊紙の紙面を見ましたが、どうも清武氏に同情した紙面展開がないのです。これには驚きました。独裁者にたてつくのは、判官贔屓という日本人の琴線に触れるだけに支持が圧倒的かと思っていたのですが、さにあらず結構、彼の行動に疑問を呈するものが多かったのです。これは彼の個性に問題があるのでしょうが、案の定、ベテラン記者によれば、清武氏は、スポーツ紙記者に威張ることで嫌われていたと言うのです。Y紙の記者によれば、彼は取材記者としては一流だが、しかし人間は四流という言い方をしていました。
 反対に、独裁者のご老体は結構、記者たちに歓迎されていたのです。記者出身だけに、飲み屋で張り番して待つ彼らに同情し、帰り際になんらかの記事になるようなコメントを残すからのようです。他者の記者から見れば、取材記者に威張る清武氏よりは、ネタをくれるご老体を支持するということでしょう。こんなところにも、日頃の人徳が作用しているようです。
 しかし、すでに弓を引いてしまった清武氏は今後、自らの告発問題をどう収拾するつもりなんでしょうか。確実に社内の立場は悪くなり、居づらくなるでしょう。ただ、辞めていくだけなんでしょうか。
 下の写真は、この夏北京を訪問したときに写した長安街王府井付近の北京飯店旧館。こんなに至近距離でもガスがかかっているのが分かります。