つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

高田純次のCMはつまらん

 小生、高田純次というエンターテナーを高く買っていました。かつての植木等と同じような軽さの中に独特のユーモアといやらしさがあり、まさに座敷演技者のホウカンを彷彿させる粋な芸人のイメージがあったからです。しかし、最近、テレビコマーシャルで出てくる彼の姿を見ると、冴えませんね。まあ、これは彼自身の演技に問題があるのか、歳を取ったせいか、はたまた演出が悪いのか。
 たとえば、ロトシックスでスーパーマンのような「BIGマン」の装いで空中からビルの屋上に舞い降りてくるCM。女性が「助けて」というのに対し「助けられません」と軽くいなすシーンは意外性があってなんとなくおかしいのですが、最後に「あなたはだれですか」の質問に対し、「クレオパトラ」と答え、ワハハと笑います。見ている方はちっとも笑えません。クレオパトラとはどういう意味があるのでしょうか。
 クレオパトラの答え自体にまったく意外性もないし、驚きもない。ロトシックスはクレオパトラと何の関係があるのでしょうか。関係ないとしたら、なぜこんな落ちにするのでしょうか。クレオパトラという女性を出すことも分かりません。これは高田純次の演技の問題というより、演出の問題なのかも知れませんね。せめて、「私は福沢諭吉です」とか「BIGな金をあなたに贈るビッグマンです」とか「私は日本国総理、この金は震災復興に役立てます」とかのセリフがあってもいいと思います。
 高田純次がやっているウィルコム携帯の「どん引き」キャンペーンCMもつまらない。高田がらくだの股引を履いて佐々木希ちゃんの前に現れますが、これって何が面白いのでしょうか。おじさんが単にらくだの股引を履いて、若い女性の前でポーズを取るだけでは笑えませんから、せめて何かの落ちがあってしかるべきですが、このCMも落ちがありません。
 せめて「温かいよ、希ちゃんも履いてみたら」とか「希ちゃんも家では履いているんでしょう」とか「希ちゃんも彼氏にプレゼントしたら」とか「実は、隣のもこみち君も履いてるんですよ」とか、もっといやらしく「実は、ここ(股引)の真ん中に携帯を隠しているんですよ。グハハハ」ぐらいの軽口があってもいいのでは。これも高田の演技というより演出の問題ですか。高田純次というせっかくいいキャラクターを使っているのに、残念です。
 まあ、ついでに言えば、最近のテレビCMは概してつまらないです。「あのCM面白い。早くもう一度見たい」と思うものがなくなりました。これもCMディレクターがだめで、電通の弱体化を示しているのか。それとも、企業側であまり金をかけないせいか。まあ、金をかけなくとも面白く作ることはできると思いますが、、。思わず、林家たい平大滝秀治モノマネで「最近のテレビCMはつまらん」と叫びたくなります。
 下の写真は、冬のある日の横浜中華街メーンストリート。「最近の中華街はつまらん。値段が高すぎる」という大滝秀治の声が聞こえそう。