つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

中国側、照射否定の真意は?

 東シナ海上の自衛隊護衛艦に対し、中国艦船がレーダー照射を浴びせたというのは実にゆゆしき事態です。レーダー照射とは、相手を攻撃するために、攻撃目標をロックオンし、相手が逃げててコンピューターで追尾し、ミサイルで確実に攻撃することを意味しています。ですから、これはもう戦争開始の一歩手前であり、脅し合いをするというチキンゲームの中でも究極の脅しであると考えられます。中国は戦争をする気があるのでしょうか。それともあくまで脅しの一手段なのでしょうか。
 一連の出来事を日本側が発表したあと、中国外交部は「日本の自作自演劇」とし、国防部も照射があったことを否定しました。これって、どう理解したらいいのでしょうか。まさか日本側がうその発表をしたということは考えられないので、照射が事実であることを前提にすれば、中国側の否定は何を意味するかです。中国側は党、軍一体となって本気で日本と小競り合いをすることを望んでいるので、挑発を隠しているのか。それとも今回の一件、党指導部は関知せず、軍部の独走だったのか。
 中国も独裁国家とはいえ、一応国民の反応を気にしますから、尖閣諸島問題で武力を使う場合、日本側からの”先制攻撃”があり、”自衛反撃”したという意味合いを持たせることが必要だと思われます。ですから、今回の照射に対し日本側が反撃したとしたら、中国側は「われわれは何も挑発はしていないのに、日本軍が先にやった」と大々的に宣伝し、その後の武力行使を正当化するでしょう。どちらと言えば、こちらの方がわれわれには怖いストーリー。中国の党、軍が一体となって尖閣諸島を奪いに来るという本気さを裏付けるからです。
 また、今回の照射は軍部、とりわけ東シナ海海域にいた艦船の指揮官が勝手にやったことで、党中央指導部や国務院外交部は関知していなかったということもあり得ます。軍部には、好戦的な軍官が多く、戦争になって手柄を立てれば、自らの立身出世に結びつくと考える人がいないわけではありませんから。ですが、これだと、党中央が軍を制御できないことを暴露してしまうので、事実であったとしても、中国側はなかなか認めたがらないでしょうね。
 残念ながら、中国側の真意は読めませんが、いずれにしても、日本は最大限の防衛態勢は整えておく必要がありそうです。チキンゲームであっても、まかり間違えば本気なケンカになることだってあるのですから。
下の写真も、バンコクの中華街にある寺廟。