つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

盗人たけだけしいとは中国のこと

 中国語に「贼喊抓贼」という言葉があります。もともとは、泥棒が叫びながら泥棒を捕まえるといういう意味ですが、翻って日本語的には「盗人たけだけしい」と訳します。中国のある新聞は、尖閣諸島に対する日本の態度として、驚くことにこの言葉を使っていました。でも、レーダー照射問題やPM2・5の問題を見ると、こっちこそこの言葉を中国側に言い返してやりたいですね。
 レーダー照射問題について、中国外交部は「日本側のでっちあげ」と言って、事実を認めません。ちょっと驚きましたが、確かにこの言い方もあるのかなと思ったりしました。中国側が認めてしまえば、居直るか、謝るかのどちらかしかありません。居直れば、日中関係の険悪化はますますエスカレートするし、謝れば、国務院、外交部は軍から弱腰と言われてしまう。権力機構の中でそれほど力を持たない外交部からすれば、こう言うしかないのかも。なにやら、軍部に圧された戦前の日本外務省を彷彿とさせます。
 居直り、謝罪、そのどちらもできないとしたら、国全体で事実を否定するしかありません。したたかな国というより、そんな虚勢しか張れないさびしい国ということでしょうか。ただ、この言葉で知能指数の低い中国国内の民はだませたとしても、多くの知識人、外国人はだませません。特に、領土、領海問題で中国と対立しているインド、ベトナム、フィリピン、さらには米国もさらに警戒感を強めることでしょう。
 最初に「PM2・5」という言葉を見て、「午後2時50分って何?」と思いました。PMと言えばふつう「午後」のことでしょう。「11PM」という番組もあったくらいですから。それが何、超微粒子を表す言葉だとか。これも初耳だけに驚きました。小生も、2年前に北京・天安門広場の様子を写した写真をこのブログに掲載して、広場横にある博物館の窓から至近距離にある天安門上の毛沢東像が白くかすんで、見にくい状態にあることを指摘しました。あれは夏だったのですが、冬はもっとひどく、しかもその”モヤ状態”は最近、さらに悪化しているようです。
 小生も20数年前に北京で生活していましたが、テレビニュースの映像に現れる北京の街の白いモヤ状態を見る限り、とても生活できる感じではありませんね。中国の北京、いや内陸全体はすでに、特に冬期間、生物が住みにくい”死の街”になりつつあるようです。そんな中でも、北京や内陸諸都市で暮らさざるを得ない企業戦士の日本人には本当に同情します。
 でも、驚くことに、中国のサイトでは、「汚染物資を流しているのは日本企業の工場」とか「白いモヤのもともとの原因は日本の放射能汚染の影響」などという日本批判に結びつけた、悪意ある意見をのたまわっている人がいるとか。これこそまさに「贼喊抓贼」で、あきれてものが言えません。こんな国に日本の先進的な公害抑制技術など伝えたくないと思うのですが、あのいやな「午後2時50分」が日本に飛来するとなれば、是非もなし。日本が協力して、なんとしても中国側に抑制してもらわなければならないでしょうね。
 下の写真は、バンコクの中華街の店先で見かけた風景。バラ売りのアメをガラス壺の中に入れて売っていました。日本にも昔あった懐かしい風景です。