つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

国旗奪われ事件、安易に考えるな

 中国もやはり後進国であることを今回の事件でいやというほど分からせてくれました。そもそも道路走行中の大使の車を妨害して止めさせて、なおかつ日本国旗を奪うというのは前代未聞の暴挙です。これを日本人が中国大使の車から五星紅旗を奪ったら、彼らはどう思うのでしょうか。自らの民族、国家に誇りに思うならば、当然他国の民族、国家にも敬意を表さなければなりません。それができない国家、国民というのは三流なのでしょうね。
 この事件の犯人は捕まっていません。日本側はかなり詳しく情報を提供し、ビデオまで撮っていたといいます。のであれば、当然、犯人は検挙されてしかるべきです。この事件のあと、テレビに出ていたコメンテーター、中国の専門家(一部は小生の知り合いですが、、)は「この事件は、突発性のもので、背後関係はあまりない。いなかの成金の跳ね上がりがやったものだろう」と分析していました。
 しかし、小生の分析では、事はそう単純なものではないと思います。大がかりなものではないとしても、一定の計画性と意図があったと思うのです。事件が地方で起こったのであれば、突発的な跳ね上がり分子の犯行と言えるかもしれませんが、今回は首都北京で発生しているのです。北京で外交人員にこんな無礼を働くとどんなしっぺ返しがあるかくらいは、一党独裁の国で生まれ育った人間ならすぐに分かるはず。それなのに、あえて走行中の車を妨害し、国家を奪ったとなれば、突発性とは考えられないでしょう。
 一定の意図を推定するのは難しいのですが、ひょっとすると、今秋の第18回党大会に向けた一つのアピールかも知れません。というのは、胡錦濤習近平らの現中央指導部は現在、公安関係、つまり警察、都市取締(城管)などを統べる政法委員会という組織の弱体化を図っています。こういうことへの意趣返しか、あるいは治安力が十分でないと世界の笑いものになりますよというインディケーションであるかも知れません。その行動目標としては、尖閣諸島問題でやり玉に上がった日本国の大使の車というのは恰好のえものであったでしょう。
 これまで一部の左翼教師が国と民族とその象徴である国旗をないがしろにしたつけがこんな形で表れたという見方もありますが、そんなのはもう過去のこと。今こそ、日本国は、国の象徴である国旗に対し、もっと真剣に取り組むべきです。日本国政府はこの問題をうやむやにしてはなりません。外交的に辱められたのですから、強い態度で出なくてはなりません。外交は相互主義、もし不十分な対応を示すのなら、日本でも警備をおろそかにし、同様のことがありうることを示唆しても構わないでしょう。
 下の写真は、前回と同様、安徽省イ県宏村にある農村の風景。