つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

北朝鮮の拉致は身代金目的誘拐だ

 よくよく考えてみれば、おかしな話だと思うのが、北朝鮮による日本人拉致です。彼らが勝手にスパイ船を日本の領海、領土に送り込み、善良なる日本の一般市民、それも日本から離れることを少しも望まない人たちをを浜辺から強引に連れ去っていったのです。中には、横田めぐみさんのように中学生もいました。そんな無茶くちゃなことをした国に対し、人情として礼を尽くすことにどうしても合点がいきません。
 昔だったら、戦争になるべきところです。ある国の執政者が十分な意思を持って勝手に他国に船を侵入させ、人さらいするのですから。これってどう考えても侵略行為です。1970年代当時、日本は何度もこんな仕打ちを受けていることを知りながら、一向に対策を講じていませんでした。平和ボケだったのでしょうね。まだ第二次大戦の余波を残し、与野党あげて安全保障などというものを真剣に考えたくなかったのかも知れません。
 70年代、日本の旅客機が赤軍派にハイジャックされると、福田赳夫自民党政権は「人命は地球より重い」、人質の救助が第一とか言って「超法規措置」とやらで赤軍派に人質の身代金を払い、かつ要求された別の事件の死刑囚まで釈放するというばかなマネをしました。およそ独立国の姿勢とは思えません。当時、小生も記者の一員としてこのありさまを見ていましたが、情けなくて、こんな弱気な解決方法を決めた自民党政府を呪いました。
 今も当時の弱腰が継続されているような感じさえ受けます。拉致者を返せは国交回復、経済援助もすることになるというんでしょう。人をさらっておいて、解放してほしいなら金を出せという構図であるとすれば、これって立派な「誘拐」じゃないですか。国が絡んだ身代金目的の誘拐犯罪です。でも、残念ながら、日本国憲法は「国際紛争を解決する手段としては、武力行使を永久に放棄する」としていますから、武力に訴えられないんですね。
 今、北朝鮮は拉致可能性が高い行方不明者の調査を約束したのに、それにはこたえず、何か聞きたければ、外交当局者をピョンヤンに来させよと言ってきています。それで、外務省の伊原アジア大洋州局長が行くらしいのですが、もしこのピョンヤン行きで何の成果も出なかったら、外務省はどう言い訳するつもりなんでしょうか。「ああ、そうですか、きょうはご注文はないんですね」と言って帰る単なる御用聞きでもいいというお考えなのでしょうか。
 北朝鮮なんてしょせん張子の虎なんだから、強気に出ても差し支えないと思うのです。少なくとも、呼ばれれば行くという属国のようなマネは避けるべきです。「人命は地球より重い」のではありません。「国家の主権は地球より重い」のです。

 上の写真は、前回衆院選に出馬し、落選した友人の元新聞記者が主宰する「新外交フォーラム」という団体の発会式のもよう。櫻井よしこさん、元自衛隊幹部らが出席して座談会をしていました。