つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

肉親の情が過度に出るのはいかがなもの

 イスラム国に拉致されたジャーナリストらの問題はまだ解決しておりません。戦争産業にかかっている一人はどうも殺害されたらしいとの情報も入ってきていますが、真偽のほどは不明です。ジャーナストの後藤健二さんは映像に出てきているところを見ると、まだ健在のようです。それにしても、人の命をもてあそぶこの集団は本当に憎たらしい限りです。
 小生もその昔マスメディアの会社の一員で記者をしていましたから、ジャーナリストが犠牲になるという事態は見るに堪えません。人情としてはなんとか助けてあげたいなと心底思います。でも、個人の命と国家の主権や尊厳を秤にかければ、やはり国家の方が重いと思います。あるときには、個人が大多数の国民を束ねる国家のために犠牲になるのも仕方ないものと理解しています。
 最近、マスメディアに後藤健二さんの母親が顔を出して、「何とか息子を助けてほしい」と語っています。取材方法として人質の肉親から話を聞くことはあり得ることだし、また、彼女がマスメディア取材に対し、肉親の情をストレートに話すのは否定されるものではないでしょう。
 ただ、この事件に関し必要なのは、日本政府が毅然とした態度を続け、無法者集団と安易な妥協をすべきではないということです。であれば、あまりにも肉親の情だけとメディアに出てしまうと、犯罪者集団もそれを利用し、情に訴えてくる作戦に出てきます。現に後藤氏一人の映像には妻子の話が持ち出されました。
 そうなると、安倍政権も弱腰になって変節する恐れなきにしもあらず。「人命は地球より重い」などと言って、かつてテロリストに日本の主権を売り渡した福田赳夫首相のやり方が思い出され、ちょっと怖い感じがします。安倍晋三首相の父親安倍晋太郎氏はなんせ福田首相の一の子分でしたから。
 イスラエルはテロリストには一切の妥協はしません。今回のイスラム国相手に米国も英国も屈服しませんでした。もし、取引をしたら、事件は今後何度でも繰り返されます。ゆすり・たかりの犯罪は、それに応じれば何度も続くということをわれわれは1970年代の赤軍事件で学んだはずです。

 上の写真は、中国深圳市蛇口で見た大ガジュマルの木の根元。