つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

民主党は政権再奪取をあきらめたのか

 今、国会で自民党女性閣僚の公職選挙法違反問題が焦点になっています。厳密に見れば、松島みどり法務大臣の「うちわ」も、小渕優子経済産業省大臣が地元支持者をどこかの観劇に招待して差額分を負担していたことも法律に抵触するのは間違いないんでしょうね。でも、日本の国政全体で見た場合、今、この時点で最大野党の民主党がこんな問題で国会の時間を浪費していいのかという率直な疑問も湧いてきます。
 民主党の台湾系議員である連ホー女史が国会で、鬼の首でも取ったように松島みどり大臣の「うちわ」問題を追及していました。確かにあれはどう見てもうちわであり、彼女の指摘はその通りであると思います。でも、そのうちわには大臣の政見が書かれており、松島氏はどちらかと言うと、すぐに捨てられないようにとの工夫からうちわ形にしたのではないかと愚推します。
 公選法では商品に当たるものは有権者に配れませんが、うちわようのものは今、街中で多く宣伝ビラ扱いで配られており、有権者が明らかに利益を享受したと感じるようなものではありません。政見ビラとどれほどの違いがあるというのでしょうか。民主党がうちわを「商品」として誇張するとは、何か現政権のボロを見つけ、揚げ足を取るためだけの行動としか見えません。
 小渕大臣の方はちょっと脇が甘かったように思います。以前の自民党議員、いやどの党の国会議員であっても、支持者をつなぎとめるために、宴会、旅行などいろいろな催しものを用意し、その際、支持者が納めた金以上のサービス(出費)をするのはごくごく自然でした。しかし、今はもうそういう時代ではないのですが、群馬県の農村部では依然として議員にそういうサービスを期待している人がいると見られ、なかなか悪しき風習は止まないようです。
 まあ、大臣の金の問題を追及するのは必要なことかも知れません。ですが、今回の女性大臣の件は、何か利権を利用して金を取っているといった構造的な問題ではないですね。小生に言わせれば、揚げ足取りの範囲としか思えません。
 そんなことをしているより、日本が今、国際的に負わされている課題、国内の重要問題、たとえば、中東の過激派「イスラム国」にどう対処するのか、日中関係の再構築をどう考えるのか、さらには来年4月に予定される消費税の再アップはそのままでいいのか―などが山積していると思います。民主党が再び政権を奪回しようと考える政党であるならば、3、40年前の社会党議員のような重箱の隅をつつく、いわゆる”爆弾発言”などというものを止めて、堂々と政策論議で対抗してもらいたいです。
 少なくとも、民主党の支持者は今回の「政見が書かれたうちわ」の問題提起に喝采したでしょうか、「連ホーさんよ、さすがだ」などと感心したのか。そんなことはないと思います。「国会なんだから、もっと本質的なことを議論してくれよ」「消費税の問題をもっと聞いてくれ」と思ったに相違ありません。それとも、民主党は再び政権奪取など考えない、かつての万年野党の社会党程度になり下がったのでしょうか。

 上の写真は、今週千葉・幕張メッセで開かれた農業関係商品展示会での一風景。小生はファクトリープランティング(植物工場)に興味があるので、それを見てきました。写真に出ているのはある製薬会社が作っている葉物野菜の展示物です。