つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

相変わらすの無謀国イラン

 昔、70年代末、外信部にいて遭遇した大ニュースに、ホメイニ革命後のイランでアメリカ大使館がイランの暴徒によって占拠され、米側職員を人質に取るという事件がありました。この占拠事件はイラン当局側も公然とバックアップしており、大使館内に米側職員が長期間監禁されたままとなりました。これにはアメリカ国民も相当頭にきたようで、比較的寛容に対処したカーター大統領はその指導性を疑われ、再選できなかったのです。
 今回、英国大使館でそれと同じような事件が起きたのは驚きました。そもそも大使館は当該国にあるとはいえ、事実上、派遣国の管理下(治外法権と言っていいかも)にあり、当該国であっても簡単に手を出せないものなのです。天安門事件のあと、北京の米国大使館に逃げ込んだ民主派支持の方励之教授に対し、中国当局は断固弾圧姿勢を示しながらも、さすがに米大使館に無闇に入り込んで逮捕するなどできませんでした。
 たとえ、2つの国が戦争状態に入ったとしても、公館と公館に勤務する人間は保護されなければなりません。第二次大戦で日本と米国が戦争状態に入ったときも、日本大使館の職員たちは身柄保護され、その後第三国の船に乗って日本に帰ってきました。大使館などの外国公館はそれだけ意味があるものなのです。
 そうした国際ルールをまったく無視したのが、前回のイランの米大使館占拠であり、またまたこの国際的非常識が同じイランで起こりました。この国はいったい国際ルールをどう思っているのでしょうか。自らの国も外国に公館を置いていることを知らないのでしょうか。あるいは、自分のところは無謀なことをしても、諸外国は理性があるから、わが国には報復はするまい、無謀なことはするまいと思っているのでしょうか。そうであれば、ずいぶん勝手な国ということになります。こうした国際ルール無視には断固とした措置を取らなければなりません。
 しかも、この無謀国は核開発まで進めています。たぶん核兵器を持てば、中東で大きな脅威となるでしょうから、穏健派のサウジアラビアなどの他イスラム国、さらには潜在的な敵対国イスラエルは黙過できないでしょう。これまでも何度もイスラエルがイランの核開発施設を攻撃するといううわさがありましたが、公然とした空爆の形であれ、モサドを使った秘密裏の爆破であれ、イスラエルが破壊工作に出るのは必至でしょうね。
 下の写真は、我が家の愛犬マオ。