つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

羊の群れの中の狼だった

 小生の知り合いのスポーツ紙記者から以前、こんなことを聞いたことがあります。プロのスポーツ選手は体力があるだけ、精力があまっていて女性がいないとどうしようもない、だから若くして結婚するし、結婚相手もそういう精力に耐えられる女性を選ぶと。彼は取材対象にしていたプロ野球選手のことを言ったと思いますが、これは野球選手に限らず、どのスポーツ選手にも共通したことだと思います。
 そういう意味では、柔道のプロフェッショナルである内柴正人氏も精力絶倫なのかも知れません。そんな人が女子柔道部のコーチになるとは、まさに狼を羊の群れに投げ込むような仕儀です。彼を迎え入れた大学も大学ですが、自己を知らず、また理性的な対応もできないことを知りつつ、内柴氏個人がこうした人事に同意したこともまた大いに疑問です。
 オリンピック2連覇の英雄であり、ハンサムなスポーツマン、しかも自分たちを指導する身近なコーチとなれば、女子柔道部員たちが好意を抱くのは自然ですし、歓心を買おうと擦り寄ってくるのは当然です。そうであっても自分と部員にはパワー関係がある点を肝に銘じ、本来はそうした状況を理性で乗り越えなくてはならなかったのです。
 残念ながら、柔道一直線の純粋培養で育ってきた内柴氏はその点が理解ができず、よってけじめもつけられなかったのでしょう。しかも大学側が否定しなかったのように、一匹の羊にとどまらず、多数をむさぼり食っていたとするならば、これはもう言語道断で、まさに教育者にはふさわしくない忌むべき行為です。
 ただそれでも、小生は警視庁が「準強姦」なる容疑で彼を逮捕したことは解せません。大学での失職でもう十分社会的な制裁は受けているし、柔道部女子は20歳以下であっても、青少年育成条例に触れる未成年でもない。酒を飲ませたとはいえ強制ではないし、彼が言うように「幾分かは女性が誘った」点も否定できず、犯罪性はかなり薄いものです。たぶん、この事案は不起訴になるか、悪くても起訴猶予処分になる可能性が高い。その点では、オリンピックの英雄を何もそこまで落とし込める必要はなかったのではないかと小生は思うのです。
 普通の警察記者であればそういう結果が容易に予測されるのに、警視庁はなぜ逮捕などという強硬姿勢に出たかのかが分かりません。警視庁にも柔道や剣道のオリンピック候補選手が大勢にいることからすれば、”惻隠の情”があってもいいのかなと思ったりしています。
 下の写真は、市川の大学近くにある日蓮宗弘法寺内のもみじの風景。毎秋楽しませてもらっています。