つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

IOCがなんで勝手に競技地変更するんだ

 

 東京オリンピックのマラソン競歩が札幌で開催されることになりました。テレビのワイドショーなどでも取り上げられ、関係者も一般庶民もインタビューを受けると、みんな「東京オリンピックなのに、なぜ札幌開催になるのか」と驚き、あきれていました。小生もまったく同感です。第一、開催する地元都市、首長に何の事前連絡もなく、国際オリンピック委員会IOC)が勝手に決め、変更決定後に事後通告するだけというのは実におかしな話です。

 そもそもなぜ札幌なのか。札幌だって地球温暖化になった今、夏の気温は30度以上になるはずです。競技を日中にやるとしたら、東京の早朝の条件とそう変わるものではないでしょう。気候ということに限定するならば、釧路とか阿寒湖、サロマ湖周辺とか、稚内とかもっと条件の良いところはあるはずです。いや、関東圏でも日光とか那須高原とか、都内だって奥多摩町の日原辺りとか、平均気温の低いところは結構あります。

 オリンピックとはもともと都市が開催するものです。確かに、50数年前の先の東京オリンピックでも、ボートとかヨットとかは東京都以外でやりましたが、それはそういう施設や周辺環境をもっていないということでの例外中の例外であり、本来はその都市内で完結するのがスジです。室内で行われる競技のチケットを買えず、マラソン見物に期待した小生を含む多くの東京、関東周辺の人たちには、札幌移動はショックでした。

 IOCは、ドーハで行われた世界陸上選手権大会での女子マラソン競技で中途棄権が大量に出たとの理由から、大会1年を切った時点で、突然、競技地の北移動を決めました。誠に勝手です。受け入れる札幌も、選手の宿泊地、すなわち選手村の確保、長距離で乗り込む観戦者のホテル確保、さらにはコース設定、その環境整備と準備が大変でしょう。他の国の運営に真っ向から手を突っ込み、その変更の大変さも顧みず、もうこれで決まりだと言わんばかりに命令口調で指示するIOCのやり方、手続き不備に怒りが湧きます。お前らは何様だと言いたくなります。

 前回の東京オリンピックは10月の気候のいい季節に実施されました。もともと日本で8月にオリンピックをやること自体、ちょっと冒険でしたから、日本は秋開催を持ちかけたはずです。でも、米国をはじめオリンピックを営業に結び付ける国々から強い要請があり、8月開催が決まりました。でも、選手にしてみれば、いったん決まった以上、そういう条件で行うという前提で訓練を積み、対応を考えているはずです。すべての選手が同じ条件下でやるのなら、記録狙いでなく、暑さに強い選手はだれかなどと別の見方ができるはず。それはそれでいいのではないですか。

 マラソンは、紀元前にペルシャの大軍を破ったことを知らせるために、ギリシャ兵士がマラトンからアテネまで走ったことが起源。その兵士は到着後、ばったり倒れ、息絶えたそうです。それだけ過酷なレースなのですから、今さら気象条件など云々する必要などないはずです。暑いなら暑いなりに選手たちはそういうレース展開を考えればいいのです。途中棄権するのは、そういう準備が足りなかっただけです。

 気象条件を考えてオリンピック競技の開催地を1年切った時点で替えるというバカな決定は二度と止めにしてほしいと思います。少なくとも(一部の北海道民を除いて)ほとんどの日本人は今回の移動を歓迎していない。むしろ、IOCは札幌に固執して何か利得を図ったのかも知れないなどと、不信感を持ったことでしょう。

 

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 上の写真は、横浜市野毛の飲み屋街で見たハロウィン装束を付けた人形。伊勢佐木町のお菓子の店内もハロウィン模様でした。