つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

北の核の小型化は日本にも脅威

 北朝鮮には困ったものです。最近、大陸間弾道弾規模の長距離ミサイルを発射実験し、さらには核実験も行いました。多くの専門家、評論家によれば、すでに核兵器の小型化にも成功したとの由。もし、アラスカ、米西海岸にも届く長距離ミサイルの弾頭にこの小型化核兵器を積むことが可能ならば、明らかに米国にとって大きな脅威となり、単なる”対岸の火事”というわけにはいかなくなります。米国はどう対応しようというのでしょうか。
 北朝鮮は、これまでも射程1200−1500キロ程度のノドンという中距離ミサイルをもっていましたが、これでは韓国、日本、中国、ロシアを射程に入れているだけで、米国には届きません。北はひとえに米国とのサシの交渉が狙いであり、交渉によって現体制への不介入を担保したいのです。亡命した北朝鮮人によれば、死んだ金正日は、かつてのルーマニアの独裁者、チャウシェスク大統領や、リビアカダフィ大佐などのぶざまな末路を映像で見ており、自分の将来に重ね合わせ、かなりショックを受けていたようです。
 金正日からすれば、ルーマニアリビアも民衆の反乱で倒れたなどと思っていません。すべて米国のCIAが裏から支援した米国による介入の結果だと考えています。ですから、米国に直接脅威を与える兵器作りにこだわったのは、米国と対等の立場に立ってなんとか米国の介入をさせないということです。まあ、国際政治、安全保障の観点に立てば、そういう力関係がよく分かる戦略眼の持ち主だとほめていいのかも知れません。
 ところで、北朝鮮の核の小型化は、日本にとっても明らかに脅威の増大ですね。中距離のノドンに搭載されることも可能であり、中国の第二砲兵部隊のミサイルと同様に、これで日本は終始脅威にさらされ、北朝鮮の言うことをある程度、聞かざるを得なくなりました。そういう軍事的脅威の増大を、日本人のどれほどの人が現実的なものとして感じ取れているかは疑問です。小生の周囲の人を見ても、ノー天気の人が結構多いように見受けられます。
 日本にとって救いであるのは、北朝鮮は今、自国の金王朝体制を守ることに汲々として、他国を侵略する意図は見られません。他国への侵略可能性について、一般に時期、意図、能力、理由などの総合力で判断しますが、北朝鮮は能力に乏しく、まあまあ「安全パイ」でしょう。かつて38度線を破って韓国に侵攻したようなことは、現在の国家の力からしてもうないと思います。その点では、今は中国の方がはるかに恐ろしい存在です。
 ただ、このまま北朝鮮の軍拡を黙認すると、やがて客観的な能力を度外視して冒険主義に走ることもあり得ます。かつてのヒットラーのヨーロッパ制圧、日本軍の中国、アジア諸国への派兵などの前例がありますから。軍事優先国家いや軍人優先国家というのは、理性を超えたところで動く恐れがあり、その点が心配の種です。
 下の写真は、東京・赤坂の乃木神社境内にある白梅。