つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

期待はやはり遠藤ですか

 大相撲で今、一番の人気者は幕内下位の日大相撲部出身力士、遠藤ではないでしょうか。幕下付け出しから幕内までわずか3場所。十両では14勝1敗の優勝で一場所で通過したというのだから、驚くほかありません。今、残念ながら、幕内でモンゴル勢を凌駕できるような期待の力士がいないだけに、遠藤に期待するしかしょうがないのかも知れません。
 今場所開催を前にして、テレビの特集で遠藤を取り上げていました。彼は相撲の基本である四股を毎日数百回、丁寧にしているそうな。しかも、彼の言によれば、一回ごとにバランスをどう取るか、どこに力を入れるかなどということ念頭において踏んでいるとのこと。やはり、どんなスポーツも基本が大事であることがよく分かります。
 確かに、遠藤の四股を見ていると、足を高く上げ、その高く上げた片足をそのまましばらく静止させるなど、バランスがとてもいい感じを与えます。名横綱だった貴乃花も同じように四股の高い足上げが有名でしたが、遠藤の四股を見て貴乃花を思い出しました。
 相撲はバランス崩しのゲームであり、小さな力士が大きな力士に勝つのもこのバランス崩しが奏効した結果です。つまり、バランスがいい力士は、いなしや引き、投げに敏捷に対応できるということで、相撲では潜在能力の高さを示します。バランスのいい四股を踏む遠藤に大きな期待が集まるのもまた当然のことでしょう。
 遠藤の良さはまた、いささかの恐れもなく、自信にあふれた顔をしていることです。これは、稀勢の里などと比べるとよく分かります。稀勢の里の相撲の実力はもう横綱級だと思いますが、いつも自信のなさそうな、おどおどした感じを見ている人に与えます。小生からすれば、これではここぞという勝負には勝てないだろうと思います。彼は勝負師には向いていないので、優勝することも、ましてや横綱に上がることなどとても無理ではないかと見ています。
 遠藤への驚きはさらに、左四つの形をすでに完成させていること。右上手の持ち方と、左下手のかいな(腕)の使い方がもうすでに幕内の老練力士のようにうまいし、右腰を相手に接近させる技術も天性のものを感じます。左手でかいなを返し、あるいは相手の腕力を削ぎ、しかも持つ位置が絶妙な右上手から投げを繰り出せば、もう相手を逃れられないでしょう。
 稀勢の里とか、琴奨菊には期待できず、栃煌山とか豪栄道とかも伸び悩んでいるとしたら、やはり遠藤に期待するしかありません。早く、幕内上位に上がって、横綱大関との対戦が見たいものです。
 下の写真は、上越連峰の谷川岳(厳密には一の倉岳)下にある一の倉沢をバックにした小生。この週央、水上温泉に行き、ついでに一の倉沢の出合いまで行ってきました。やはり、右側に見える衝立岩はすごい迫力があります。