つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

新機種待っての店先”生活”の意味

 世の中、一見で分からないことってよくあるけど、何度考えてもよく分からないことも結構あるものです。9月20日からアイフォーン5cなる新機種が発売されるそうですが、そのことが発表された9月11日から、もう主だった販売店の前で並び始めた人がいます。これって常識感覚の小生から見てまったく理解不能です。
 別に事前に並ばないと、発売日当日に買えないというわけではないんでしょう。新発売のアイフォーンに数の限りがあるわけではないんでしょう。発売日当日朝から並んでも十分手に入るはずです。それなのに、発売日まで10日近くの期間、ずっと並び続けるってどういう判断、感覚なんでしょうか。
 銀座の販売店の前に並んでいる人にテレビ局の人がインタビューすると、「他人より先に手にしたいから」という理由です。並ぶ本人にすれば、先に手にすることはすごく大事なことなんでしょうが、小生から見れば所詮それだけの理由。それで、彼らは10日近く、昼夜とも店先に寝泊まりするわけなんです。
 今は日本列島に台風18号が接近しています。きょう朝方、関東地方でもかなりの豪雨がありました。テレビのワイド番組を見ると、それでも、並んだ人はレインコートに傘など差して、雨中にたたずんでいました。この”難行苦行”は小生の想像を超えています。小生からみれば、ばかばかしく、大いなる無駄な時間に見えて仕方ありません。
 まあ、人はオギャーと生まれてから死ぬまでの間、所詮時間つぶししているに過ぎない、人生って膨大なヒマつぶしなのだと指摘した友人がいました。その考え方からすれば、これ以上の”有効で確実な”ヒマつぶしはないでしょう。
 小生は子供はいませんが、もしいたとして子供が10日近くも店先で”待機生活”していたら、何と言うだろうか考えさせられます。たぶん、「無駄ことは止めろ。時間を有意義に使え。人生もっとやるべきことがあるだろう」と言うでしょうね。「有意義の時間って?」と問われれば、まあ、「もっと本を読め」「東北大震災の被害者のために何かできないのか」「人は他人に感謝されてこそ、生きる意味があるんだ」ってなことくらいは言うでしょうか。
 でもそうは言っても、つらつら考えるに、世の中、他に無駄なことっていっぱいあるから、どれが有意義な時間かなんて簡単に決められません。自分自身、かなり無駄なこともしているような時間もあるので、忸怩たる思いにかられます。ハンドルに遊びがあるように、無駄もまた人生のエセンスなのかも知れません。
 また、充実の時間、満足感のある行動というのは人によって違うから、自分の判断で他人のやることにケチも付けるのもまた、いかがなものかということもありましょう。
 下の写真は、小生の家から近い横浜・伊勢佐木町商店街を練り歩く神輿。きょうは近くの神社の例大祭があったようです。