つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

大企業と違って円安の悲劇を実感

 9日からきょう12日まで、中国の上海に行っていました。上海にある金属加工の合弁会社董事をしているので、その会議に出るためです。同社は一昨年11月に中国で登記され、昨年4月から仕事を始めて1年半。そろそろ投資利益が出るころかなと期待していましたが、残念ながら、為替の変動で利益が吹き飛んでいたことが分かりました。
 この合弁企業は、主に日本の機械企業の依頼でシュレッダーのOEM生産しています。今年から、工場も日本の精密加工技術の導入で順調に生産を始め、日本に輸出となりました。ところが、アベノミクスによる円安でこの1年で日本円は米ドルに対して80円が100円近い額になってしまいました。つまり2割の割安です。
 ドル建ての取引を主体とする大企業となると、1円円安で数百憶円の儲けだそうですが、我が方の企業のOEM生産はあくまで円建てという逆の形。つまり、定額の日本円を人民元に直すと、この間の円安で大減価。実に今年これまで58万元の為替差損が出てしまいました。これは、日本円に直せば、800万円以上の額です。そこで、われわれへの配当はお預けとなりました。
 小生はこれまで、一旅行者として海外に出ることを考えて、漠然と円高を歓迎していました。記者として香港で為替の相場原稿などを書いていたにもかかわらず、為替に対する個人的な感覚は別段なかったのです。
 ただ、日本の企業が「円高は困る困る」という情報を発信していたので、やはり日本全体の景気を考えれば、円安になった方がいいのかな程度のことは思っていました。しかし、今回のような小生個人にかかわる商売上で差損が出てしまうと、円安ではわれわれはたいへんなことになるのだと初めて実感しました。
 でもよくよく考えれば、円建てにしていたから問題なのであって、あくまでドル建てであれば、ドルと元はバスケット方式で準リンクしているので、多くの企業と同列となります。そこで、今回の董事会では、今後、日本企業との取引はすべてドル建てで行うことにしました。でも将来、元が自由化され、元高ドル安に動くことが考えられないわけではないんですね。為替は難しいです。ビジネスが大きくなればなるほど、損も得の多いということでもあるし、、。 
 下の写真は、上海市奉賢区にある日中合弁企業の董事会のワンショット。