つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ウクライナ問題で欧米は気概見せよ

 ウクライナ情勢が緊迫の度を深めてきました。実は小生、ロシアの介入は、南部のクリミア半島だけで終わるだろうと思っていました。クリミアだけなら、セバストポリにロシアの軍港もあることだし、欧米もロシア併合を追認せざるをえなくなるのではないか、とロシアも判断し、その程度で収拾させるのではないか、ロシアも内心、欧米との関係を絶対的に悪くすることは考えていないだろうと見ていました。
 しかし、ロシアはクリミアの併合だけに飽き足らず、ついにウクライナ東部にも手を伸ばし始めました。泥沼化の様相を呈しています。東部のハリコフ、ドネツク、ルガンスクで、ロシア系住民がウクライナからの分離独立、さらにはロシアへの編入を求めて地方政府や議会の建物を占拠しました。
 ウクライナの治安部隊が出動して、ハリコフの占拠を強制解除しましたが、ドネツク、ルガンスク2州ではまだ占拠が続いているほか、その他の東部周辺州でも同じような住民の暴動騒ぎが起きています。これら各州のロシア系住民が主導していると言っても、恐らく裏でロシアの治安組織が糸を引いていることは間違いないこと。あるいはすでにロシア軍の正規兵が「占拠住民」の中にもぐり込んでいるかも知れません。
 しかも、ロシア軍はウクライナ国境沿いに大量の兵員を待機させており、ウクライナ政府がこれら東部諸州に軍事的な対応を取った場合、国境を越えて直ちに介入する構えを見せています。クリミア問題で欧米が厳しい対応を取らなかったので、完全に欧米をなめきり、嵩にかかってきています。
 なんだが、第二次大戦開始前の英国、フランスがナチスドイツのラインラント進駐、オーストリア併合、チェコズデーテン地方の強制併合をずるずると認めてしまった状況と似ている感じを与えます。ナチスはこれで英仏をなめきり、次にポーランド侵攻をしています。
 千丈の堤も蟻の一穴から崩れるという言葉がありますが、まさしく最初に「こんな程度なら」という感覚で侵略を甘く見ると、敵は次々に追い打ちをかけてくることは歴史が教えています。まあ、日本のケースにあてはめると、いわゆる進歩的文化人の中には、「尖閣諸島なんて人が住んでいないんだから、欲しいというならあげてしまえば」という御仁もいますが、国際政治を知らないばかな意見です。
 欧米は、ウクライナをEU、NATOとして迎え入れる意思があるなら、ここはきっちりロシアと事を構える必要があります。ロシアは、西側のような経済システムができ上がっておらず、しょせんは石油・天然ガスの輸出で外貨を稼ぐだけの国。ですから、経済制裁を一段と課せば、それなりに有効かと思われます。プーチン政権は独裁的で危険な体制であるから、この体制を崩壊させるのだという強い意思、気概を見せる必要がありましょう。
 下の写真は、12日新宿御苑で開かれた「自民党桜を見る会」に出席していた安倍首相の奥方昭恵さん。大会社の社長令嬢であったのに、庶民的な雰囲気がある奥方に小生も好感を持っていますが、会場でも大人気でした。