つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

盲導犬の健気さに泣いた

 ふつうの心を持つ人間として、これだけは絶対にしてはいけないことは数あると思います。ジャンバルジャンのケースはあまりにも無情であるけれども、盗みにもいろいろあり、これだけは断じて止めるべきだという最低の線があるように思います。広島市の土砂崩れ災害に遭った人がテレビのインタビューで、「避難している最中に家に空き巣が入り、現金を盗られた」と話していました。事実であるならば、あまりにも悲しい事件です。
 人が不幸に遭遇しているときに、それに追い打ちをかけるような振る舞いは断じてあってはなりません。東日本大震災の時も、あまり報じられていませんが、実は空き巣狙いがあったとの報告もあります。犯人は、自らがそういう目に遭ったら、どう感じるか、少しは考えるべきです。たとえ災害支援の輪に加わらないにしても、最低限、被災者をディスカレッジするような行為、災害復旧をじゃまするような仕儀は止めるべきです。
 内人の話によると、いつ、どこでかは分かりませんが、盲導犬の足を刃物で刺した奴がいたそうです。盲導犬は、ご存知のように、いかなる状況に遭遇しても、主人を守らなくてはならない、驚かせてはならないという教育を受けているので、その盲導犬は危害に遭っても「ワン」とも言わず、その後もナイフが刺されたまま、血を流しながら、主人をリードしていたというのです。
 もちろん、盲目である御主人は、犬が痛がる素振りを見せないので、その傷に気づくわけもありません。周囲の人が犬の足に刺さったナイフに気づいて、やっと事態が明らかになったそうです。愛犬家の端くれである小生などは、その話を聞いただけで思わず泣いてしまいました。犬の健気さに泣いてしまいました。どこのどんな盲導犬だか知りませんが、「守ってくれてありがとう」と言ってしまいました。
 盲目というハンデを負った人、それを必死に保護しようとする犬に危害を加えてなんとしますか。たとえどんな理由があるにせよ、人を必死に守っている犬を怪我させることなどふつうの人間ならありえない話です。犯人はどんな奴か分かりません。たぶん、捕まっていないでしょう。何か腹たち紛れの八つ当たりかも知れません。いずれにせよ、世の中に人の心を持たない人間がいることは不幸です、残念です。

 上の写真は、内モンゴルのシラムレン大草原にあるモンゴル人家庭を訪問した時の一枚。この家の女の子は子ヤギがペット。ヤギも少女になついていて、少女に寄り添い、顔をペロペロなめているのです。そのしぐさがかわいかったです。