つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

岡田の演技出色、今年の大河ドラマ

 小生はNHK大河ドラマのファンであることは前にも書きました。今年は黒田官兵衛を扱ったドラマでしたが、小生は十分に楽しめました。というのは、なんといっても主役岡田准一の演技力が光っていたからです。小生の印象では、若手の主役としては、伊達正宗をやった渡辺謙以来のうまさではないかと思っています。
 岡田のうまさは熟年、老年時期の官兵衛を演じたときに特に際立っていました。普通、若者が老け役をやると、どうも重みが出せないものですが、彼は見事に重厚な演技をしていました。天性のものでしょう。その点、栗山善助母里太兵衛をやった脇の役者の老けはちょっと重みに欠けました。そこが主役と脇役の差なのかも知れません。
 なるほど岡田の老け演技は良かったのですが、最終回、死ぬ間際に息子長政の顔をさする場面で出てきて岡田の手がアップになり、ちょっと気が抜けました。というのは、年齢は一般に首とは手の甲に出ると言われており、手の老けに注目していましたが、何のメーキャップもされず、岡田の若い手のままでした。官兵衛の顔のしみにあれほどこだわっていたのに、手までは意識がいかなかったのは残念。画竜点睛を欠く感がありました。
 秀吉役の竹中直人、官兵衛おじいさん役の竜雷太、父親役の柴田恭兵もいい演技をしていました。特に、柴田は刑事役などではちょっとスノビッシュな感じが出ていいイメージを持っていませんでしたが、このドラマに関しては、子を思う父親の感情が画面に溢れていて好感が持てました。年取った柴田恭兵はいいですね。
 中谷美紀はどのドラマでもワンパターンの感があるのですが、でもうまい役者。存在感は大です。千利休役の伊武雅刀竹中半兵衛役の谷原章介荒木村重役の田中哲司安国寺恵瓊を演じた山路和弘も良かったですね。谷原は確か竜馬伝でも桂小五郎の役で出ていましたが、いつもすがすがしい感じを与え、好感持てます。もともと演技派ながら、それより仲間由紀恵との結婚で有名になってしまった田中は、今ドラマでもいい味出していました。
 ミスキャストを挙げれば、やはり若手女優陣。荒木村重の妻、淀君を演じた2人は特に今いちでしょう。淀君の女優の名は知りませんが、顔が丸顔なので、失礼ながら美人に見えず、しかも織田家、浅井家を背負った高貴ながら悲劇の姫というイメージが出せていませんでした。若手なので、仕方がないと言えばそうなのでしょうが、、。
 全体的に見れば、歴代の大河ドラマの中でも、10本の指の中に入る出来ではないでしょうか。内人は、こんないい出来なのになぜ視聴率が20%以下なのかと怒っていました。

 上の写真は、香港銅鑼湾の繁華街、そごうデパートの前の大通りの風景。つい先ごろまで、この大通りは若者が座り込んでいましたが、小生が訪れたクリスマスころには昔の繁華街のにぎやかさに戻っていました。