つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ユーチューブ男はグリ森以来の劇場型犯罪

 今、首都圏を中心に店で万引きしたり、商品に爪楊枝を差し込んでいたずらしたりし、その模様を映像に撮ってユーチューブに流している19歳の男(本来は少年だが敢えて男と言います)がいます。もう本人は特定されて指名手配されていますので、逮捕は時間の問題だと思いますが、敢えて不謹慎に言わせてもらえば、たいへん興味深い事件で、警察に挑戦し、手玉に取るこの男もなかなか面白い人物だなと感心してしまいます。
 昔、グリコ森永事件というのがありました。いわゆる劇場型の犯罪で、メディアを使ってその反応を楽しみながら次の事件を起こすというパターンです。失礼ながら、かつて遊軍記者として取材の一端を担った者からすると、グリ森犯らは関西弁を使うなどしてなかなかユーモアがあり、警察をおちょくるという点では今回の事件と酷似したところがあります。
 違いを挙げれば、グリ森は複数犯ですが、ユーチューブに映像を流した男は単独犯。かつては新聞・テレビを「劇場」に使っていたけど、映像男はネットサイトを使っていること。まあ、時代の進歩、伝達手段の変遷と言ってしまえばそれまでですが、リアルタイムでその行動、犯罪手口を示すなどはなかなか面白い仕掛けです。
 グリ森事件は明らかに特定企業を恐怖に陥れて、その企業や被害対象を恐れる企業から陰で”示談金”をもらうという目的があったけど、このユーチューブ男は金銭目的はないようです。商品のいたずらは一銭にもなりませんし、万引してもそのもうけは高が知れています。経済的利益からすると割の合わないリスクの高い犯罪で、まあ、警察に挑戦して楽しむといった自己顕示が最大の狙いなのかも知れません。
 動機はともかく、”少年”になめられた警察はしゃかりきになる以外ありません。犯罪自体はたいしたことないとはいえ、総力挙げて早急にこいつを逮捕するしかありません。テレビのワイドショー番組で取り上げられている以上、一般市民の注目度は高いのですから、まさに警察の威信がかかっています。

 上の写真は、香港の繁華街モンコックの地下道で見かけた民主派座り込みグループのスローガン。「本当の普通選挙を与えてほしい」という内容です。