つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

反日宣伝やっても大量訪日客なのはなぜ?

 先般、上海に行くとき、成田空港から往復、全日空便を使いました。日本の航空会社にもかかわらず、乗客は日本人が数少なく、ほとんどが中国人でした。特に、上海への行きの便は、炊飯器や便器、薬などを大量に購入、キャビンにさえ持ち込む旅客がいるほどで、逆に大量の荷を持たない日本人は肩身が狭い感じ。「ああ、全日空までついに中国人に占拠されたか」と思わず嘆かざるを得ませんでした。
 上海でホテルのテレビを見れば、中央テレビ(CCTV)は言うに及ばず、各省発信の衛星テレビでも相も変らぬ、荒唐無稽な反日映画。旧日本軍が出てきて残虐なことをし、挙げ句に”報復で”大量に殺されるというストーリーのオンパレードです。中国人はこんな映画ばかり見せられ、かつメディアでは安倍政権批判ばかりなので、本来は日本嫌いになるはず。それなのに、なぜ多くが日本を気に入り、大量にやってきて爆買いするのか、いささか疑問でした。
 そんな疑問を上海で友人にぶつけると、「反日ドラマなどは共産党の宣伝で、中国人はだれも事実だと思っていない」という返事が返ってきました。ある人は、共産党機関紙の人民日報についても、「信用できるのは日付と曜日くらいのもの。天気予報ですら、PM2・5について詳しく伝えないから信用できない」とのことでした。彼らは自分の目で見たもの、さらには信頼がおける仲間からの情報しか信じないのです。
 日本にも多くの人が来るようになって、徐々にその”実態”が知られるようになりました。爆買いを香港のように現地人から非難させることはなく、むしろこぞって歓迎され、しかも服務員(店員)の十分なサービスが受けられる。さらには、おいしい空気、安全な食事、きれいな街を堪能できるし、円安の影響で物販の価格も安い。10人中ほぼ10人近くは、相応の満足感を得て帰国するでしょうから、その情報、体験が仲間に伝えられ、彼らを突き動かします。本人もリピートしますので、日本行き旅客は増えるばかりです。
 小生の友人で、ビジネスも兼ねてほぼ毎月のように日本にやってくる上海人がいます。もちろん、子供が日本に留学していることもあるのですが、子供と会うのが主目的ではありません。日本に来るときがいちばん幸せな時間だと感じているからのようです。このビジネスマンの奥さんが特に日本ファンで、ビジネスに関係ないのに毎回夫に同行してきます。上海の空気(前回ブログの写真参照)を見れば、さもありなんと思ってしまいます。
 つまり、言論の自由のない中国でマスメディアがいくら日本批判、日本の駄目ぶりを吹聴しても誰も信じない。大量訪日客はその証拠です。中国人は、こんないい加減な情報を流し続けている共産党の存在意義すら問い始めているのではないかと考えてしまいます。

 上の写真は、上海市虹口区で食事したレストランのあるホテル全景。上海の友人にご馳走してもらったこのホテルのレストランはなかなかうまかった。