つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

権力中枢守る特別部隊が必要では

 二言、三言言ってもよく理解できない人、時の状況が呑み込めず詰まらない行動や発言をする人のことをよく「鈍くさいヤツ」と言いますが、今回、首相官邸の屋上に無人ヘリコプター「ドローン」を落とされて、ずっとそれに気づかなかった官邸の保安スタッフはまさに鈍くさい連中であり、ドローンが分からなかっただけに、ダジャレ的に言えば、「ドローンくさいヤツ」ということになるのかも知れません。
 日本の自衛隊の総司令官は内閣総理大臣です。したがって、首相官邸と言えば、日本の安全保障の総指揮を執る場所にほかなりません。そのもっとも重要な場所に放射能付きのドローンが落とされました。本来はドローンが接近しただけでも大騒ぎになるのに、落下していても気づかなかったいうのは、どういうことでしょう。お粗末の限りです。
 しかも、屋上でドローンが見つかったときの状況も滑稽です。今年入省したキャリア事務官に日本の権力の総本山、首相官邸を見せるという趣旨で屋上に案内したようです。恐らく屋上にはヘリポートがあるので、「首相は緊急の場合、ここから離着陸する」とでも説明したかったのでしょう。そこで屋上に行って見ると、何やら”奇妙な”物体が落ちているという次第。よくよく調べてみると、放射能付きドローンということで大騒ぎになったわけです。
 つまり、このドローンがいつ飛来し、屋上にとどまったのか。いつからどのような状況で放射線を出し続けていたのかについても分からないのです。だれがこんなことをしたかはこれからの捜査になりますが、いずれにしても、犯人側にすれば、「やった。やった」と騒ぎたかったのに、何の反応もなかったので犯行声明も出せず、きっと拍子抜けし、「日本の権力中枢のばかさ加減にもあきれる」とさげすんでいるに相違ありません。
 中国の党中央・国家機関がある地域は北京の中南海と呼ばれていますが、この地域だけは中央警衛局直属の特別部隊がガードしています。日本の官邸は恐らく塀の外側が警官で、中は官邸、衆議院などを守る警備職員が担当していることでしょう。はっきり言ってこの警備職員に上空からの襲撃といったことについて問題意識があったとは思われず、ましてやドローンなどというものの存在も、危険性についての認識もなかったと推察されます。
 これは、日本の安全保障上の大問題です。今回のケースで、閣僚、国会議員はそれだけの危機意識を感じているのでしょうか。だれかが遊びかいたずらでやったことで、たいしたことはないなどと思ったら、大間違いです。早急に永田町や霞が関など権力中枢を守るための単独の特別武装部隊を創設すべきです。

 上の写真は、上海市で泊まった虹口区のホテルから見えた虹口公園(通称魯迅公園)と虹口サッカー場。PM2・5の影響で、せっかくの新緑も霞んで見える。