つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

温泉の入れ墨者に寛容であっていい

 かつて民族特有の入れ墨をしたニュージーランドの女性が「入れ墨者禁止」という杓子定規の規定から、日本の温泉で入浴拒否されたケースがありましたが、きょうニュースを見ていたら、観光庁がこの種のケースが他にもあるのかどうか調査したそうです。観光立国を叫んでいる関係上、今後は外国人の入れ墨は大目に見ていこうというのが趣旨のようです。
 大阪市では、罰則を前提に職員に対し入れ墨をしているかどうかの調査を実施したことがありました。日本では入れ墨イコール無法者、半端者、やくざのイメージがあるせいか、どうも風当りが強いようです。でも、昨今、サッカーやラグビーの試合を見ていると、外国人選手では当たり前のように入れ墨している人が見かけられますし、日本ほどタブー性はない感じがします。
 昔、日本でも銭湯で入れ墨した職人さんらが自慢げに見せていました。昔の銭湯と同レベルで考えればいいのであって、今になってそうがんじがらめで禁止する必要はないように思います。それぞれの国のさまざまな”入れ墨文化”を尊重する意味から、入れ墨している人間に日本ももっと寛容であるべきです。一概に否定して観光地から締め出していたら、観光立国にはならないでしょう。
 本来は、親からもらった体は後生大事に死ぬまでそのまま守っていかなくてはならないのでしょう。小生自身は、親からもらった体のうち、すでに胃を除去してしまい、まだ97歳で生存している母親に申し訳ない気持ちでいっぱいですが、これは致し方ない選択。これに対し、入れ墨は積極的な体の改変であり、昇り竜、唐獅子牡丹などとは無縁の小生からすれば、何もそこまでと思ってしまうのが正直なところです。
 ただ、憲法で自由が最大限尊重される我が国であるなら、個人の性向、思想、文化に基づく行為もまた他に害を及ぼさない限り、尊重されるべきです。温泉地側の必要以上の自己規制は感心しませんから、小生は、観光庁の指導は適切だと思います。

 上の写真は、プリンターの上を占拠して、仕事の邪魔をする愛犬マオ。