つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ギリシャは懲りないキリギリス

 ギリシャがEUやIMFから借り入れている金を返そうとせず、問題になっています。ほとんど世間が見えないような若造のチプラスなる首相は、5日に国民投票をやり、その結果で最終判断をするようなことを言っています。でも、驚くことに7月初め、EU側には緊縮策に応じるような書簡を送り、一方で地元のテレビ演説では「EUの緊縮策にノーを突きつけろ」などと国民を煽動しています。二枚舌もいいところで、重き責任を感じているような政治家とはとても思えません。
 彼が今冬、政権を取った時のスローガンは、緊縮策にも応じない、ユーロ圏からも離脱しないという到底ありえないものでした。浅はかにもその言葉をかの国の民は信じ、政権運営を負託したのですが、案の定、いい案など出っこありません。左翼政権にありがちの、理想を言うが、まったく現実性のない公約なのです。日本でも民主党政権下で、沖縄基地問題に関し「最低でも県外」などとわめいて自らの足を引っ張った首相がいました。
 ギリシャのケースを見ると、小生が真っ先に思い出してしまうのがイソップ物語に出て来るアリとキリギリスの物語です。EUの他の諸国がそれなりに一生懸命財政の健全化を目指しているのに、かの国は国全体の労働者の4分の1までに公務員を増やし、社会主義国も驚くような多額の公務員年金支給と公共料金の無料化を図っています。
 これでは、EUなどがいくらかの国に金を注ぎ込んだって返済に回る金など出てきません。まさに、遊びほうけたキリギリスの在り様です。キリギリスは食糧のなくなる冬に困り果て、夏の間食糧をため込んだアリさんに援助を求めるが、結局、夏の遊びを見ていたアリに断られてしまいます。EUだって、「古代ギリシャは欧州の故郷」いう郷愁をそういつまでも感じ続けるはずもなく、これ以上の援助を拒否するのは当然の結末です。
 小生の見立てでは、5日の国民投票で国民は圧倒的な差で緊縮策受け入れに賛成することになるでしょう。チプラス政権は退陣です。それで、ギリシャはユーロ圏に残ることになるのですが、それでもその緊縮幅をめぐって国民は相変わらず不満たらたら言い、さらにキリギリスよろしくドイツなどのEU優等生に助けを求めることになると思います。本当に懲りないキリギリスです。

 上の写真は、5月中旬、奨学金団体の旅行で佐原に行ったとき、歴史的建造物のある小野川のそばで見た花。