つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

公明党はなぜ財務省の還付案を拒否する?

 再来年4月スタートの消費税10%について、公明党が軽減税率の要求を出しましたが、財務省は、マイナンバー制度と関連付けた還付案を逆提案しています。だが、これは公明党から拒否されています。自民党財務省と同じく本音では軽減案に反対なんでしょうが、公明党を与党に留め置くためには、ぜひとも同党の要求をのまなくてはならないのでしょう。いったい、最終決着はどうなることやら。
 小生は、前には書きましたが、品目ごとに定める軽減税率は非効率であり、止めた方がいいと思っています。「貧しい人に消費税の軽減を」「日用品には消費税の減額を」というスローガンは一見分かりやすいし、庶民受けします。そこが”大衆に依拠する”公明党の真骨頂なのでしょうが、多くの学者が指摘しているように、品目ごとに軽減化を図る作業は非常に煩雑です。
 まず、どの品目を低税率にするかで大変な議論をしなくてはならない。財務省ではこれまでのところ全飲食料品を対象にするらしいけど、ボーダーライン上のものは線引きが難しい。日経新聞によると、オロナミンCは対象内だけど、リポビタンDは駄目とか。最終的にどうやって判別するのでしょうか。作業量が膨大である上、この品目決めには必ず政治介入も出てきます。政治決着を図るとなると、裏で政治家を取り込むための業界の暗躍が始まり、政治献金やわいろの温床になるでしょう。
 低税率化を図る細かい品目決めに膨大な事務量が必要とあれば、政府の事務員も増やさなくてはなりません。せっかく消費税を上げ、税収アップを図っても政府の役人を増やし、ビッグガバメントになってはわれわれもいい迷惑です。まさか政府の規模を拡大するために消費税を上げるわけではないでしょう。
 その点、財務省の還付案はすっきりしていい案だと見受けられます。マイナンバー(MN)と関連付けたところなど心憎い措置。MNカードの提示を義務付けると、事務量は比較的少なくて済むし、実質的に軽減を求める人の数は減るだろうという読みもあるようです。本当は軽減税率など導入したくないが、公明党に華を持たせなくてはならないための苦肉の策でもありましょう。やはり、かの役所は有能な役人というか策士が多いと実感しました。
 日本が一流国としての矜持を保っていくには、これ以上国の借金を増やさず、国家の収入、支出のバランスをしっかり取ることだと思います。どこかの愚かな政党ではあるまいし、福祉は充実しろ、でも税金は取るなの主張では、愚かな国民には受けても、知恵ある国民は納得できないでしょう。
 きょうの新聞を読むと、公明党財務省の還付案を拒否したため、同省は再検討を迫られています。公明党は膨大な事務量の増加を望んでいるのでしょうか。ビッグガバメント志向なのでしょうか。政権に縁がなく、無責任な論を主張する野党を思わせるようなかの政党が連立与党内にいることは果たしく日本国にとっていいことなのか。


 上の写真は那須岳に行く途中の山容と可憐に咲いていた高山植物