つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

自由貿易試験区に日本製品の展示、即売場も

 対外貿易、コンサルタント企業の顧問をしている関係上、海外に出ることは避けられません。今回も5−7日の日程で上海に行ってきました。浦東地区の上海港洋山埠頭にある自由貿易試験区に高級な日本製品の展示、販売場ができ、そこに自社製品を出展したいとする日本の中小企業顧客が中国カウンターパートと交渉するのを手伝うのが目的です。
 実は、自由貿易試験区は一昨年秋始まったばかりで、多くの日本人にはあまりなじみがないと思いますが、浦東地区には外高橋地区など4か所の同試験区があり、すでに壮大なビル群ができていて立派に稼働しています。保税区になっているので、対中輸出側にすれば、市内流通のための輸入品諸税(関税、消費税、増値税)に比べて安くなるのがメリット。平たく言うと、郵便輸入品並みの税金で済むという話です。
 小生らが今回訪問したのは洋山埠頭地区の試験区で、ここには金持ち中国人向けの高級品展示場もありました。フランスのブランド品のほか、日本の諸製品。電気製品から衣料、日用品、医薬品、芸術品など品物の種類はさまざま。ちょっとごった煮状態でとりとめもない感じですが、展示場のビル、雰囲気は素晴らしく、しかもディスプレーの仕方もなかなか上品なので、高級感があり、富裕層には受けそうでした。
 なんで市内中心部から80キロも離れたこんなところに富裕層が来るのかという疑問ですが、それにも明快な答えがありました。今夏、天津港で起きた爆発事故(事件?)で、自動車の輸出入業務は上海港に移ってきています。そのため、高級輸入外車もこの洋山埠頭に陸揚げされ、外車を購入する富裕層はここまで来なければなりません。つまり、車を購入、引き取るついでに割安の外国製品を購入させようという試みです。
 この展示場を持つ女性オーナーは洋山埠頭の試験区のほか、浦東に来年できるディズニーランド近くのショッピングセンターにも日本製品の展示スペースを持っていました。女性オーナーは大方の中国人同様日本製品にほれ込んでおり、「ぜひ日本の優良商品を展示してほしい」と語っていました。一方、今回同行した日本側中小企業の顧客も中国人の日本での爆買いを承知しており、その潜在性、可能性に目を輝かせていました。
 中国共産党の対外的な政治スタンスは気に入らないけど、民間レベルで日中の経済交流が活発化するのは喜ばしいこと。小生もいささかのお手伝いはしようと思っています。

 上の写真は、上海浦東地区洋山埠頭の自由貿易試験区内にある外国製自動車の購入、引き取りと外国製品展示のためのビル。