つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

軽減税率論争と民主・維新統一会派の愚かさ

 昨今の政治情勢を見ていると、どうもおかしなこと、奇妙奇天烈なことばかり。そこで、何か苦言を呈したくなるのです。おかしなこととは、自民党公明党の軽減税率対象品をめぐる駆け引き、そして民主党と維新の党との統一会派結成。国会が開かれていないだけに、議員の諸先生方は時間を持て余しているようで、随分と余計なことをしている感じがします。
 軽減税率は、小生このブログで再三触れているように反対です。なぜこんな面倒くさいことに公明党はこだわるのか。街角のポスターでも大々的にうたい、党是のような形にしている理由がよく分かりません。今、自公で行われている与党内協議でも案の定、”泥沼”の線引き交渉になってしまいました。
 もともと生鮮食料品だけという自民に対し、公明は加工食品まで含めよと言う。では、「外食産業のテークアウトはどうするか」という欧州で起きた同じ問題を引き起こしてしまい、困った自民は「では、外食すべてを軽減化する」というやけくその対象拡大で決着を図ろうとしています。これでは1兆3000億円の税収がフイになってしまいます。
 税というのはゼロサムゲームです。こちらを優遇すれば、こちらが損するという仕組み。つまり、消費税軽減は金持ちを含めて多く人が恩恵を受けますが、軽減化による税収減で確実に福祉で手厚くされるべき人たちには金が行かなくなってしまいます。それは、「消費税は福祉に充てる」という目的税の趣旨に反する動きです。
 分かりやすく言えば、軽減税率は、本来は税でピンポイントで助ける人を助けられず、金持ちを含めて万遍なく優遇することなのです。貧乏人の味方、福祉の党だとしている公明党はこれでいいのでしょうか。彼らの建党の精神はどこへ行ってしまったのでしょう。税は平等に取り、その効果的配分を考えるのが、本来、政治の役割ではありませんか。
 民主と維新の党との統一会派結成もよく分からない。そもそも維新代表の松野順久などはもともと民主党で、前々回の総選挙のときに、民主党では勝てないからとして、橋下徹大阪府知事、市長)の人気頼りで維新に走った人ではないですか。その人が、橋下とけんかしてふたたび民主党に戻るとはどういう了見なんでしょう。
 松野は、安全保障政策や共産党とのスタンスの問題で民主党とは距離があると言っています。それならなおさら統一会派などできないはずです。みんなの党の流れを汲む現在の維新の党はどちらかと言えばスモールガバメント志向、しかし、連合という労働組合をバックにする民主党はビッグガバメント志向の政党ですから、この面でも水と油です。
 彼らは反安倍の結集だと言っています。でも、今の岡田民主党は魅力がないし、橋下の抜けた維新の党は「クリープのないコーヒー」みたいなもの。魅力のない者が何人集まろうと、しょせん烏合の衆であり、現政権を追い詰めるような勢力にはなりません。


 上の写真は、上海市洋山埠頭の自由貿易試験区内にある外国製品展示場と上海市へのビジネス視察団の会食風景。