つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

野党統一候補作りは愚かな戦法だ

 民主党というのは本当に理解不能の政党です。4年前、落ち目の同党から逃げ出し、時の勢いのある橋下徹の「日本維新の会」に走った、ある種裏切者の松野頼久なる議員一派を再び抱き込んだかと思えば、共産党社民党などおよそ揚げ足取りばかりの20世紀型サヨク政党と組むなどと支離滅裂です。岡田代表はどんな成算があると読んでいるのでしょうか。
 松野が率いる維新の党が合併に当たり民主党に要求した点で唯一ほめたくなるのは解党を迫ったこと。世間一般的に見れば、「民主党」なる党名は手垢のついた名称で、かつて3年間の失政で国民多くが好印象を持っていません。ですから、岡目八目的に見れば、新党名にするのは心機一転の意味から必要かと思います。民主党は今回、解党自体には賛成しませんでしたが、党名変更には応じたので、まあまあ賢明な選択ではなかったでしょうか。
 ただ、党内にはまだ「民主」という言葉にこだわる人がいて、「新党名は民主自由党」にすればいいなどの案もあるそうな。「民主自由党」にしたら、これは「自由民主党」を前後置き換えただけですから、世間からもの笑いにされるでしょう。「民主」という言葉にこだわるのは、恐らく自ら大金を出して同党を最初に作った鳩山由紀夫元首相周辺から出た”郷愁的”な意見だと思いますが、ナンセンスですね。他人事ながら、もっと斬新な名前はないものかと思います。
 今夏の選挙で、自民党公認候補を倒すため、民主党は共産、社民、生活各党などと組んで統一候補を立てるそうな。すでに参院選熊本選挙区の統一候補が決まっており、今後他選挙区でも順次調整が行われるようです。民主党首脳部は、およそ支持率3%以下の諸政党と組んでどれだけ可能性があると見ているのか、その心底が分かりません。
 特に、共闘の目的が安保法案を廃案に追い込むためだけだと言っていますので、そうであればなおのこと旧来の民主党支持層のうち保守的な層がかなり抜け落ちてしまうことになりましょう。共闘によるプラス、マイナスを考えた場合、小生はマイナスの方がかなり多いと感じています。
 民主党首脳部が共産党との共闘の恐ろしさを知らないことも問題です。その昔、東京都知事選挙美濃部亮吉氏が社共共闘で当選しました。共産党は当選当初、猫をかぶっていましたが、やがてこの共闘組織の中で力を振るいだし、美濃部都政末期にはとうとう知事を指図するようになりました。美濃部は共産党の横暴にさんざん泣かされたと後年恨み節を述べています。
 共産党の統一戦線工作というのはそういうものであって、あなどってはなりません。かつてのソ連のように、少数のボルシュビキが多数の統一戦線内反対勢力を倒して支配権を確立することがあるのです。万万が一、今夏参院選で統一候補が当選したとしても、組織的にバラバラの民主党、連合などはやがて蹴散らされ、共産党がその議員を支配することになりましょう。
 民主党は統一戦線の歴史を知っているのか、知っていながら共産党と組むのか。残念ながら、民維合併はともかく、野党統一候補作りに関して愚かな戦法であり、今の執行部が愚かな選択をしたとしか言いようがありません。

 上の写真は、台湾取材時にパーティーで同席した貴婦人。